佐藤博信

佐藤博信について

佐藤博信（さとう ひろのぶ）氏は、1946年10月に新潟県新発田市で生まれ、中世東国史を専門とする著名な歴史学者です。千葉大学の名誉教授としての肩書を持ち、長年にわたり教育・研究に尽力されました。

学歴と職歴

1965年に鎌倉学園高等学校を卒業後、1969年に早稲田大学第一文学部史学科を卒業。その後、同大学院博士課程を満期退学されました。1980年には千葉大学人文学部の助教授に就任し、後に教授へと昇進。1991年には、「古河公方足利氏の研究」で早稲田大学から文学博士の学位を授与されました。2012年に定年退職され、現在は千葉大学の名誉教授として、その学識と経験を後進の育成に活かされています。

研究分野

佐藤氏の専門は、中世東国史です。特に、古河公方足利氏の研究においては第一人者として知られています。また、中世東国の支配構造や政治史、社会構造に関する研究も精力的に行い、地域史の視点からも中世史研究に貢献しています。著書や論文を通じて、中世東国の権力構造や社会の実態を明らかにし、同時代の歴史に対する理解を深める上で重要な役割を果たしています。

主な著書

佐藤氏は、数多くの著書を発表されています。以下に主な著書を挙げます。

『古河公方文書目録稿』(1971年、私家版)
『古河公方足利氏の研究』(1989年、校倉書房)
『中世東国の支配構造』(1989年、思文閣史学叢書)
『続・中世東国の支配構造』(1996年、思文閣史学叢書)
『江戸湾をめぐる中世』(2000年、思文閣出版)
『中世東国日蓮宗寺院の研究』(2003年、東京大学出版会)
『越後中世史の世界』(2006年、岩田書院)
『中世東国足利・北条氏の研究』(2006年、岩田書院)
『中世東国政治史論』(2006年、塙書房)
『安房妙本寺日我一代記』(2007年、思文閣出版)
『中世東国の権力と構造』(2013年、校倉書房)

共編著

佐藤氏は単著だけでなく、共同研究の成果も積極的に発表しています。以下に主な共編著を挙げます。

『相州玉縄城主玉縄北条氏文書集』(1973年、後北条氏研究会)
『足利成氏文書集 古河公方初代』(1976年、後北条氏研究会)
『足利高基・晴氏文書集 古河公方三代・四代』(1977年、後北条氏研究会)
『戰國遺文 古河公方編』(2006年、東京堂出版)
『中世東国の政治構造　中世東国論　上』(2007年、岩田書院)
『中世東国の社会構造　中世東国論 下』(2007年、岩田書院)
『中世下野の権力と社会　中世東国論 3』(2009年、岩田書院)
『戰國遺文 房総編』(2010-12年、東京堂出版)
『中世房総と東国社会　中世東国論 4』(2012年、岩田書院)
* 『関東足利氏と東国社会　中世東国論 5』(2012年、岩田書院)

これらの著作群は、中世東国史研究における重要な文献として、広く活用されています。

研究の貢献

佐藤博信氏の学術的な貢献は非常に大きく、中世東国史の研究を大きく発展させたと言えるでしょう。特に、古河公方足利氏に関する詳細な研究は、この分野における理解を深める上で欠かせないものとなっています。また、地域史の視点を取り入れた研究は、中世史研究に新たな視点をもたらしました。その研究成果は、現在の中世史研究においても重要な基盤となっています。

参考文献

菅原憲二「佐藤博信先生を送る」（『千葉大学人文研究』41号、2012年）は、佐藤氏の業績を振り返る上で貴重な文献です。

外部リンク

戦國遺文　房総編〈第2巻〉天文八年（七二二号）‐天正元年（一四六〇号） - 紀伊国屋書店BookWebでは、佐藤氏が携わった書籍の情報を確認できます。

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