佐藤吉宏

佐藤 吉宏

佐藤 吉宏（さとう よしひろ）は、1983年6月20日生まれ、佐賀県鳥栖市出身の元プロ野球選手です。ポジションは外野手、右投左打。

プロ入り前

小学3年生から野球を始め、鳥栖高校では3年生の春に選抜高等学校野球大会に出場しました。高校最後の夏には、県大会決勝で本塁打を2本放つ活躍を見せましたが、後にプロ入りする野中信吾選手を擁する神埼高校に敗れ、甲子園出場は叶いませんでした。しかし、高校通算40本塁打という実績を残し、特にその打撃力が評価されて、2001年のNPBドラフト会議で日本ハムファイターズから4巡目に指名を受けて入団しました。

プロ生活

プロ入り後は、2年目の2003年からファームでレギュラーの座を掴んだものの、一軍への昇格は果たせず、長い期間を二軍で過ごすことになります。

転機の一つとなったのは、2007年に選出された北京プレオリンピック野球日本代表です。この大会では主に2番打者として出場し、打率.500という好成績を記録しました。

そしてプロ入りから7年目の2008年4月15日、念願の一軍選手登録を果たします。同年4月19日の福岡ソフトバンクホークス戦で、初めて一軍の試合にスターティングメンバーとして出場。迎えた第1打席で、プロ入り後初安打となる劇的な本塁打を放ち、鮮烈な一軍デビューを飾りました。試合後のヒーローインタビューでは、苦労の時期を経て期待し続けてくれた球団への感謝を述べ、感極まって涙する姿を見せました。

翌2009年も、7月7日に再び一軍に昇格すると、その日の七番・左翼手として即先発出場。すると、またしても第1打席で本塁打を放ち、前年に続き「そのシーズンの初先発出場試合で、最初の打席に本塁打を記録する」という珍しい記録を2年連続で達成しました。

引退とその後

短い一軍でのプレー期間の後、2009年10月26日に現役引退が発表されました。プロでの通算安打数はわずか4本でしたが、そのうち3本が本塁打という非常に特徴的な成績でした。しかも、これらの本塁打は、大場翔太、岸孝之、岩隈久志といった、当時チームのエースクラスであったり、絶好調だったりした投手から放たれたものでした。

現役引退後、2009年11月15日には日本ハムファイターズの二軍マネージャーに就任し、チームを支える立場から野球に関わり続けています。

人物・エピソード

ニックネームは「ゴリ」でした。プロ入り時に登録名を「ゴリ」とすることを希望していましたが、球団の規定により通年で活躍する選手以外は登録名の変更が認められないため、正式に登録名が「ゴリ」となることはありませんでした。

また、2000年から2002年にかけて同じ日本ハムに所属していた藤崎大輔選手も「ゴリ」と呼ばれていたため、佐藤選手は当初「スーパーゴリ」と呼ばれていました。次第に「ゴリ」の部分が取れ、チーム内では「スーパー」という愛称の方が定着していったといいます。

主な記録

• - 初出場：2008年4月15日、対埼玉西武ライオンズ4回戦（西武ドーム）、12回表に代打で出場
• - 初打席：同上、12回表に四球を選ぶ
• - 初先発出場：2008年4月19日、対福岡ソフトバンクホークス5回戦（札幌ドーム）、7番・左翼手
• - 初安打・初本塁打・初打点：同上、2回裏に大場翔太投手から右越先制2ラン
• - 初盗塁：2009年7月12日、対千葉ロッテマリーンズ11回戦（札幌ドーム）、12回裏に二盗

背番号

• - 55 （2002年 - 2009年）

佐藤吉宏選手は、プロでの実働期間は短かったものの、プロ初安打が本塁打であり、それを2年連続で初先発・初打席に記録するという、プロ野球の歴史においても稀有な印象を残した選手です。その劇的な一軍デビューは、多くのファンの記憶に刻まれています。

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