佐藤正能

佐藤正能

佐藤正能（さとう まさよし、1901年5月10日 - 1979年11月14日）は、昭和期の教育者、ドイツ法学者であり、横浜国立大学教授を務めました。また、財団法人荘内館の理事として、学生の育成にも力を注ぎました。その功績が認められ、正四位・勲三等旭日中綬章を受章しています。

生涯

1901年（明治34年）5月10日、山形県東田川郡山添村下山添（現在の鶴岡市下山添）にて、教育者である佐藤雄能の長男として生を受けました。

学歴は以下の通りです。

1914年（大正3年） - 荘内中学校（現・山形県立鶴岡南高等学校）入学
1915年（大正4年） - 仙台第二中学校（現・宮城県仙台第二高等学校）に転校
1925年（大正14年） - 東京帝国大学法学部独法科卒業

大学卒業後は文部省学務課に勤務し、その後、教育者としての道を歩み始めます。

1929年（昭和4年） - 広島高等工業学校教授に就任。
その後、横浜高等工業学校教授も務めました。

1939年（昭和14年）には、父である佐藤雄能の死去に伴い、（財）荘内館（現・（財）やまがた育英会・駒込学生会館）の理事と第2代監督に就任し、学生の育成に尽力しました。

1956年（昭和31年）には、（財）荘内館本館の増築工事が完了し、創立60周年記念祝賀会に出席しました。また、この頃、横浜国立大学教授に就任しています。

1967年（昭和42年）に横浜国立大学教授を定年退職。その後は、明星大学でドイツ語講師を務めました。1972年（昭和47年）には、長年務めた荘内館の監督を退任。

1977年（昭和52年）5月2日、長年の功績が認められ、勲三等旭日中綬章を受章。

1979年（昭和54年）11月14日に逝去。正四位を叙位されました。墓所は鶴岡市下山添の神徒墓地にあります。

没後の2008年（平成20年）4月20日には、駒込学生会館（旧荘内館）の1階ホールにて、佐藤正能の銅像（白幡正史作）の除幕式が執り行われました。

著作

佐藤正能は、教育者としての活動の傍ら、著述活動も行っています。

1961年（昭和36年） - 『その折々』 佐藤正能先生還暦記念会
1967年（昭和42年） - 『旦暮雑唱』 荘内舘創立70周年記念事業実行委
1973年（昭和48年） - 『素吟片々』
1978年（昭和53年） - 『過ぎゆきの賦』 北島印刷
1980年（昭和55年） - 『林間寸草』 相模原市、佐藤正忠
共著 - 1955年（昭和30年） - 『歌集　渦』角利一、酒井忠明（共著者） 歌集渦刊行会

家族・親族

佐藤家は、庄内藩にゆかりのある家系であり、親族には様々な分野で活躍した人物がいます。

祖父：辻新右衛門 - 庄内藩士
祖父：佐藤正孝 - 神主
父：佐藤雄能 - 教育者、鉄道省事務官
叔父：石井武膳 - 庄内藩士、大泉藩権少参事
弟：佐藤正己 - 植物学者、理学博士、茨城大学名誉教授

著名な歌

佐藤正能の歌で特に有名なものとして、以下の歌があります。

聞きたきは　抱負にあらず　国政の　重きを畏る　一言なるを

この歌は、佐高信が自著で取り上げたことで広く知られるようになりました。

参考文献

『庄内人名辞典』 大瀬欽哉（代表編者） 致道博物館内「庄内人名辞典刊行会」（発行）
『官報』号外第29号 昭和52年5月2日 叙位叙勲
『官報』第15873号 昭和54年12月15日 叙位叙勲

外部リンク

財団法人 やまがた育英会

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