佐野比呂志

佐野比呂志（1919年1月15日 - 2013年11月1日）は、徳島県板野郡出身の日本の洋画家、教育者です。彼は、その生涯を通じて美術教育と創作活動に情熱を注ぎ、徳島県の美術界に多大な影響を与えました。自由律俳句の俳人、橋本夢道は叔父にあたります。

佐野は徳島師範学校を卒業後、「素直大胆」を理念に掲げ、独立美術協会の独立展を中心に作品を発表しました。1955年には同会の会友となっています。彼の作品は、自然や人間を独自の視点で捉え、大胆な色彩と筆致で表現している点が特徴です。彼は、1967年に徳島県教育委員会教育功労賞、公益財団法人美育文化協会指導者賞を受賞しています。

教師としては、長年にわたり美術教育に携わり、後進の育成に尽力しました。彼の指導を受けた多くの生徒たちが、美術の世界で活躍しています。1996年には、徳島県の美術の発展と教育に対する長年の貢献が認められ、徳島県文化賞を受賞しました。これは、彼の業績を讃えるものであり、徳島県における美術教育の重要性を示すものでもあります。

2013年11月1日、佐野比呂志は老衰のため94歳で亡くなりましたが、彼の作品と精神は今もなお、多くの人々に感銘を与え続けています。没後の2019年8月29日には、遺族である長女が佐野の生誕100年を記念して、徳島市徳島中学校及び徳島市富田中学校に作品を寄贈しました。これにより、彼の作品は次世代の若者たちに鑑賞され、美術への関心を高める機会を与えています。

佐野比呂志の作品は、徳島県立近代美術館にも所蔵されており、「牛と少年」（1954年）や「ひとり」（1970年）などが展示されています。これらの作品は、彼の画業を代表するものであり、多くの人々に親しまれています。

画集
ビーブレーンズ企画・編集 編『佐野比呂志』東洋出版、1992年10月。

関連項目
橋本夢道
徳島県文化賞
徳島県立近代美術館

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