体操 (YMOの曲)

体操 - イエロー・マジック・オーケストラの名曲

『体操』（たいそう、ローマ字:Taiso）は、日本の音楽グループであるイエロー・マジック・オーケストラ（YMO）の第6弾シングルです。この楽曲は1982年2月21日にアルファレコードからリリースされました。アルバム『テクノデリック』からのシングルカットとして発表されたこの作品は、エレクトロニカとポップの融合を見事に描いています。

リリースの背景

このシングルは、当時のYMOの音楽性を色濃く反映しています。レコーディングは、細野晴臣から坂本龍一への依頼に基づき、ジョン・ケージの「プリペアド・ピアノ」のようなミニマルなアプローチが求められました。坂本は、その要望に応え、現代音楽のミニマル・ミュージックの手法を取り入れつつも、ポップミュージックとしての完成度を保つことに成功しました。

録音と制作

間奏に使われた声は、高橋幸宏によるものであり、繰り返し部分にはサンプリングではなくテープループが利用されています。また、曲中の「プッ」という音は、坂本自身が足の関節を押さえて出した音だと明かされており、「恥ずかしくて言えない」という坂本のコメントが印象的です。この頃、細野晴臣は「ベーシストとしてのアイデンティティを完全に失っていた」と語っていましたが、坂本と高橋の説得によって、彼はこの曲でベースギターを演奏しました。その結果、坂本は「細野さんのベースギターが加わったことで、ロックっぽくなった」と評価しています。

コンサートでの披露

『ウィンター・ライヴ1981』というコンサートツアーでもこの曲が演奏され、特に新宿コマ劇場公演の最終日には、坂本が拡声器を持って叫ぶというパフォーマンスが行われました。この公演は三回行われ、その中でも二回目の演奏では、体操着姿のダンサーが登場し、観客を楽しませました。

ミュージック・ビデオ

『体操』のミュージック・ビデオも制作され、その映像はトーキング・ヘッズを意識したスタイルで構成されています。映像のディレクターは奥村靫正で、出演する女性は奥村のデザイン事務所のスタッフである金井広美です。彼女は後に高橋幸宏のマネジメントスタッフとして活動することになります。また、映像内のアニメーションイラストの女の子は、細野によってデザインされたものです。

カバーと影響

この曲の影響は後のアーティストにも及び、私立恵比寿中学は2013年7月24日にリリースしたアルバム『中人』においてこの曲をカバーしました。『体操』は、YMOの音楽的な遺産の一環として、リスナーに新たな体験を提供し続けています。

その結果、この楽曲は単なるシングルに留まらず、YMOの音楽的探索の象徴であり、リスナーに深い印象を与える作品となっています。

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