作並温泉

作並温泉：仙台の奥座敷の歴史と魅力

作並温泉は、宮城県仙台市青葉区作並に位置する、歴史深い温泉地です。古くは陸奥国、明治以降は陸前国に属していました。広瀬川沿いの南北に細長く続く河岸段丘に旅館が点在する、風情ある温泉街です。

温泉の特徴

作並温泉の泉質は単純温泉で、ナトリウム・カルシウム－硫酸塩・塩化物泉に分類されます。源泉温度は50度から60度と、程よく温かいお湯です。効能は胃腸病、皮膚病、リューマチ、婦人病、脚気、火傷など多岐に渡ります。日帰り入浴施設「都の湯」では、岩盤浴も楽しめます。旅館組合が作成した「作並温泉ぽかぽか湯めぐり歩き」という散策ガイドを活用すれば、温泉街周辺の名所巡りとスタンプラリーも楽しめます。スタンプを集めると、旅館の一軒で無料の日帰り入浴が可能です。

歴史と変遷

作並温泉の歴史は古く、721年（養老5年）に行基が東北地方巡行の際に発見したと伝えられています。また、1189年（文治元年）には源頼朝が奥州藤原氏征伐の際に兵馬を休めたという記録も残っています。しかし、それ以前から地元住民に利用されていた可能性も示唆する史料も存在します。『奥州里諺集』（1760年）や『奥州仙台領遠見記』（1761年）には、既に作並の湯の存在が記されています。当時は湯渡戸という坂のそばに湧き出ており、石で囲われた簡素な湯治場だったようです。

本格的な温泉地としての発展は、1796年（寛政8年）に岩松喜惣治が仙台藩の許可を得て開湯に着手したことから始まります。道路や設備整備に8年を費やし、現在の鷹泉閣岩松旅館の前身となる施設が誕生しました。これは「古湯」と呼ばれ、その後1855年（安政2年）には「新湯」（神の湯）が開湯されました。これは猪沢の僧侶である秀泉が地元住民と共に開発したもので、作並神湯と称されました。現在の神の湯作並ホテルの前身です。

明治時代には、古湯と新湯に各1軒ずつの旅館があり、年間約2500人の入浴客を迎え、秋保温泉を上回る盛況ぶりでした。その後、旅館数は増減を繰り返し、昭和45年には約30万人の入込客数を記録しました。最盛期には「仙台の奥座敷」として広く知られましたが、秋保温泉の積極的な投資により、その地位は逆転することになりました。2004年には温泉偽装問題が報道され、温泉利用許可を受けていない旅館や、源泉の無断開発を行った旅館の存在が明らかになりました。

アクセス

作並温泉へのアクセスは良好です。仙台市中心部からは、山交バスの特急バス（48ライナー）が便利です。仙台駅西口からは仙台市営バスも利用できます。JR仙山線作並駅からも、市営バスや旅館の送迎バスでアクセス可能です。もちろん、自家用車でのアクセスも可能です。東北自動車道仙台宮城インターチェンジから国道48号経由でアクセスできます。

周辺観光地

作並温泉周辺には、観光スポットも数多く存在します。ニッカウヰスキー宮城峡蒸溜所、鳳鳴四十八滝、西方寺（定義如来）、立石寺（山寺）、大倉ダムなど、自然と歴史に触れられる魅力的な場所が点在しています。

まとめ

作並温泉は、歴史と自然に囲まれた魅力あふれる温泉地です。ゆったりとした時間の中で、温泉と周辺観光を楽しんでみてはいかがでしょうか。

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