佟麟閣

佟麟閣についての詳細

佟麟閣（とう りんかく）は中華民国時代の有力な軍人であり、満州族出身です。本名は凌閣で、字は捷三です。彼は、北京政府や国民党政府、さらには国民革命軍において重要な役割を果たし、「十三太保」としても名を馳せました。

幼少期と教育

佟麟閣は農民の家庭に生まれ、幼少期は学問に励みました。しかし、清末の激動の時代背景や自身の家庭の困難により、彼は次第に軍の道へと進むことを決意しました。この決断が後の彼の人生に大きな影響を与えたと言えるでしょう。

軍人としての道

中華民国が成立した後、佟麟閣は馮玉祥の指揮する第16混成旅に参加し、そこでキャリアをスタートさせました。その後の彼の昇進は目覚ましく、1924年の北京政変の後に国民軍第1軍第11師歩兵第21旅旅長に就任しました。さらに、1925年には西北軍第11師師長に昇進し、1926年には南口大戦において奉天派との激しい戦闘を展開し、その闘志を内外に印象づけました。

国民革命軍への参加

その後、馮玉祥が国民革命軍に参加した際、佟麟閣も彼に従い、1927年には甘粛の鎮守使兼督弁の代理職を務めました。しかし、馬仲英率いる回族軍に囲まれ、大きな損失を被ったことから北伐への貢献は果たせませんでした。

蔣介石との対立

北伐後、馮玉祥と蔣介石の間に対立が生じ、佟麟閣も蔣軍と交戦しましたが、敗北を喫しました。その後は宋哲元の指揮する第29軍で副軍長の役職に就き、教導団団長としても活躍しました。1933年の長城抗戦では、彼は善戦を見せましたが、最終的には敗北を喫し、それでも国内の支持を受ける結果となりました。

抗日戦争と最期

1936年には再び第29軍の副軍長兼教導団団長に復帰。1937年の盧溝橋事件勃発時、佟麟閣は抗戦の意志を示しましたが、その頃の国民政府や宋哲元の消極的な姿勢に直面しました。やむを得ず、佟麟閣は南苑を守備していましたが、日本軍との激しい交戦が始まり、彼は圧倒的な兵力に対抗するも、同月28日に戦死しました。享年46歳で、国民政府から追贈として陸軍上将の称号を受けました。

彼の遺産

佟麟閣の名は、現在でも北京市西城区の佟麟閣路として残り、多くの人々にその生涯を想起させています。彼の人生と活動は、当時の中国における軍事的な動乱と抗戦の象徴とも言えるでしょう。彼の業績は今後も歴史において語り継がれていくに違いありません。

もう一度検索