使役犬

使役犬（しえきけん）について

使役犬とは、特定の仕事をこなすために訓練された犬の総称であり、一般的には「働く犬」や「職業犬」とも呼ばれます。各犬種の特性を活かし、仕事に適した個体を選び、その後専門的な訓練を施します。使役犬は主に麻薬探知や警備、検疫などの様々な業務を担っています。

使役犬の種類と役割

使役犬には多くの種類があり、各モデルで異なる役割を果たします。国際畜犬連盟（FCI）が認定する犬種の中には、特に使役犬としての地位を確立している犬種もあります。以下に主な使役犬の仕事の種類を挙げます：

探知犬

探知犬は、犬の優れた嗅覚を利用して特定の物質を見つけ出す役割を持ちます。これには以下のようなタイプがあります。

麻薬探知犬

麻薬探知犬は、麻薬の匂いを嗅ぎ分けるよう訓練された犬です。日本では1979年から使用が始まり、1981年には初めての麻薬探知犬が訓練を受けました。現在では、全国の税関で130頭以上が活動しているとされています。

銃器探知犬

銃器探知犬は、銃器の存在を嗅覚で捉える能力を持つ犬です。日本では、密輸を防ぐ目的で税関が配備しています。

爆発物探知犬

これらの犬は爆発物を見つけるために訓練されており、単独で爆発物を探知する能力がありますが、警察犬や麻薬探知犬としても支援することが多いです。民間警備にも導入が進んでおり、実際に海外では多くの爆発物探知犬が活躍しています。

検疫探知犬

検疫探知犬は、病気の侵入を防ぐために動植物の検疫対象物の匂いを探知します。日本の農林水産省が導入したこの制度は、2005年12月に始まりました。

法律と訓練施設

日本では、身体障害者補助犬法や動物の愛護及び管理に関する法律があり、使役犬の役割と保護が法的に保障されています。また、介助犬訓練所や警察犬訓練所など、専門の教育訓練施設が整備されています。

健康管理と引退後の生活

使役犬は、その特異な役割から身体的・精神的なストレスを強いられます。そのため、毎年健康診断が行われ、探知業務に支障がないか確認されます。一定の年齢になったり、身体的に問題が生じた犬は引退し、ボランティア家庭や引退犬施設に送られ、余生を過ごすことが多いです。

慰霊

使役犬たちの功績を称え、慰霊碑が各地に設けられ、慰霊祭が行われる習慣があります。警視庁の慰霊碑や麻薬探知犬訓練センターの犬魂碑など、使役犬の貢献をしのぶ場所が存在します。

まとめ

使役犬は私たちの社会において非常に重要な役割を果たしています。麻薬の密輸や感染症の防止、公共の安全を守るために、訓練を受けたこれらの犬たちは日々努力を重ねています。その活動に感謝し、彼らの健康や安全にも配慮することが求められます。

もう一度検索