価値あるイタリア

価値あるイタリア：イタリア政治史における一政党

「価値あるイタリア」(Italia dei Valori, IdV)は、1998年にアントニオ・ディ・ピエトロによって設立されたイタリアの政党です。ディ・ピエトロは、それまで「クリーンハンド作戦」として知られるタンジェントポリ（汚職追及）の中心人物として活躍し、第1次プローディ内閣では公共事業大臣を務めていました。

設立と初期の活動

1997年の上院補欠選挙で当選を果たしたディ・ピエトロは、翌年に「価値あるイタリア」を結成。当初は、小選挙区制や連邦制導入などを主張するなど、既存政党とは一線を画す政策を打ち出しました。同年には、ロマーノ・プローディが結成した「民主主義者」に参加しますが、ジュリアーノ・アマート首相就任への反発から離党し、IdVを再結成しています。この初期段階では、イタリア政治における改革と透明性を求める勢力として注目を集めました。

2000年代後半以降の活動と衰退

2008年の総選挙では、民主党連合に参加。その後、2013年2月に行われた総選挙では、民主党を中心とする「イタリア良きコムーネ」ではなく、共産主義再建党などの左派政党を中心とする「市民革命」に参加しました。しかしながら、阻止条項を突破することができず、全議席を失うという結果に終わりました。この選挙の結果が、IdVの衰退の始まりを告げるものとなりました。

イデオロギーと政策

IdVは、反汚職、透明性、そしてイタリア社会の倫理的改革を重視する政党でした。当初は小選挙区制や連邦制導入を訴えていましたが、選挙戦略においては、様々な政党連合に参加するなど柔軟な姿勢も見せていました。欧州自由民主改革党にも所属し、国際的な連携にも意欲を見せていました。

結論

「価値あるイタリア」は、ディ・ピエトロの強いリーダーシップの下、イタリア政治に一定の影響を与えました。しかし、党勢の拡大には至らず、2013年の総選挙での敗北を機に、その影響力は大きく減少しました。イタリア政治史において、反腐敗運動を政治勢力化しようとした試みとして、その活動は重要な意味を持つと言えるでしょう。その歴史は、イタリアにおける政治改革の困難さと、改革勢力の維持の難しさを示唆する事例となっています。今後のイタリア政治における同様の試みにおいて、IdVの経験は重要な教訓となるでしょう。

脚注

特筆すべき脚注はありません。

関連項目

ルニオーネ
民主主義者 (イタリア)

外部リンク

* Italia dei Valori（公式サイト）

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