保守バプテスト同盟

保守バプテスト同盟

保守バプテスト同盟（ほしゅバプテストどうめい、Conservative Baptist Association of Japan）は、日本のプロテスタント・バプテスト派に属する団体です。その本部は宮城県仙台市青葉区に置かれており、米国系のバプテストの流れを汲んでいます。

この同盟の最大の特徴は、その組織構造にあります。一般的なキリスト教の教派に見られるような、中央集権的な監督制度を持ちません。代わりに、各加盟教会がそれぞれ独立した自治運営を行っています。これはバプテスト派における「各個教会主義」という伝統的な考え方を強く反映したものです。信教の自由や個人の良心の自由が非常に重視されており、信仰の営みは聖書を根拠としています。各教会には比較的ゆとりのある雰囲気が見られます。

名称に含まれる「保守」という言葉は、キリスト教の伝統的な教理やバプテスト派固有の特色を大切にする姿勢を示しており、特定の政治的主張や原理主義とは異なります。

この団体の起源は、第二次世界大戦後に遡ります。アメリカ合衆国の保守バプテスト外国伝道協会（CBFMS）から派遣された宣教師たちが、日本、特に東北地方を中心に伝道活動を開始したことから始まりました。1964年1月15日、これらの宣教師や日本の信徒たちによって、山形第一聖書バプテスト教会において10の教会が集まり、正式に保守バプテスト同盟が設立されました。

同盟は設立後、伝道と教育の両面に力を入れてきました。1950年代には仙台市において聖書図書刊行会が設立され、通信聖書学校や夜間聖書学校が開設されるなど、文書伝道や神学教育の基盤が作られました。1963年にはバプテスト聖書神学校も設立され、伝道者育成が進められました。また、1968年には宮城県の錦秋湖畔にキャンプ場施設（現シオン錦秋湖）が開設され、修養や交流の場として活用されています。

伝道活動は精力的に進められ、1970年には都市部での伝道が推進されました。1976年には「100教会設立運動」、1990年には「倍々運動」といった目標を掲げ、教会数の拡大を目指しました。2001年からは10年間をかけた「ハーベスト2010」計画が実行されました。

国内伝道と並行して、海外宣教にも目を向けています。2001年には海外宣教を専門に行う宣教団「CBジャパン」を設立し、ペルー、コンゴ、韓国など複数の国に宣教師を派遣し、国際的な働きにも貢献しています。

2010年8月時点では、東北、関東、そして長崎の広範囲にわたり、80を超える教会や伝道所、関連施設を有しています。会員自身が教会運営に積極的に関わることが、同盟の各教会における基本的なスタイルとなっています。

他の日本のプロテスタント諸団体との関係では、かつては同盟全体としては日本福音同盟（JEA）に直接加盟せず、一部の教会が「保守バプテスト諸教会グループ」という名称で加盟している時期もありましたが、現在では保守バプテスト同盟として正式に日本福音同盟に加盟しており、福音的な信仰の立場を共有しています。

沿革の主な出来事:

1943年12月: 米国で保守バプテスト海外伝道協会（CBFMS）設立。
1947年2月: CBFMSから最初の宣教師が来日（秋田県）。東北での宣教開始。
1951年: 仙台市に聖書図書刊行会設立。
1953年: 聖書図書通信聖書学校開始。
1956年: 仙台夜間聖書学校設立。
1963年: 仙台市にバプテスト聖書神学校設立。
1964年1月15日: 10教会により保守バプテスト同盟設立（山形第一聖書バプテスト教会）。
1968年: 錦秋湖バイブルキャンプ場（現シオン錦秋湖）設立。
1976年: 「100教会設立運動」開始。
2001年: 海外宣教団「CBジャパン」設立。

プロテスタントの伝統的な教えを守りつつ、各教会の独立性を尊重する保守バプテスト同盟は、戦後日本のバプテスト派教会の一角を占める団体として、今日に至るまで伝道と教会形成の働きを続けています。

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