保安官ワイアット・アープ

保安官ワイアット・アープ

「保安官ワイアット・アープ」（原題：The Life and Legend of Wyatt Earp）は、アメリカ西部開拓時代に名を馳せた伝説的な保安官、ワイアット・アープの生涯をドラマ化したテレビ西部劇です。1955年から1961年にかけて、ヒュー・オブライエン主演で全227話が放送され、モノクロながらも30分という凝縮された時間の中で、西部劇の魅力を余すところなく伝えています。

ドラマ概要

このドラマは、ワイアット・アープが保安官として活躍する姿を中心に、彼の人生における重要な出来事を丁寧に描いています。第1話では、ガンマンに殺された友人のホイットニー保安官の復讐を誓い、バッジを受ける場面から物語が始まります。その後、親友となるドク・ホリディやバット・マスターソンとの出会い、そしてネッド・バントラインから特注の長銃身バントライン・スペシャルを授与されるエピソードなどが展開されます。全227話という長編ドラマの中で、ワイアット・アープの成長と活躍が詳細に描かれています。

特に、第226話で描かれる「OK牧場の決闘」は、ドラマの中でも最も重要なエピソードの一つです。この決闘は、5話連続で詳細に描かれ、ワイアット・アープとクラントン一家との激しい戦いが繰り広げられます。（ただし、日本では放送が途中で打ち切られたため、この決闘の回は放送されていません。）

ヒュー・オブライエンは、このドラマへの出演をきっかけに、一躍人気スターとなりました。彼の演じるワイアット・アープは、正義感に溢れ、冷静沈着なヒーローとして、多くの視聴者の心を掴みました。

放送詳細

アメリカでは、1955年9月6日から1961年6月27日まで、ABCネットワークで全6シーズン、227話が放送されました。日本では、1961年9月15日から1965年4月11日まで、日本テレビで放送されました。放送時間は当初、金曜日の21:15から21:45でしたが、その後、1962年秋から金曜日の21:00から21:30に変更。1963年12月で一旦休止した後、1964年春から火曜日の21:00から21:30で放送されました（ただし、プロ野球中継がある場合は休止）。その後、秋から日曜日の21:00から21:30に変更され、1965年4月まで放送されました。福井放送など一部の系列局では同時ネットで放送されましたが、北日本放送など、時間帯が異なる番組を放送していた局もありました。金曜日時代の提供スポンサーは、大日本製薬（現在：住友ファーマ）でした。

キャスト

ワイアット・アープ：ヒュー・オブライエン（声：若山弦蔵）
ドク・ホリディ：ダグラス・フロウリー
バット・マスターソン：アラン・ディネハート3世
ショットガン・ギブス：モーガン・ウッドワード

こぼれ話

ヒュー・オブライエンがワイアット・アープ役に抜擢されたのは、彼が若い頃のアープ本人に似ていたためと言われています。後に、「墓石と決闘」でアープ役を演じたジェームズ・ガーナーも、同様の理由でアープ役に選ばれました。

ドラマの中でアープが使用していた銃身12インチのバントライン・スペシャルについては、アープ本人が実際に使用していたという確たる証拠はありません。この銃については、1931年に出版されたアープの伝記「フロンティア・マーシャル」におけるアープ本人とのやり取りが誇張されて伝えられていると考えられています。

ヒュー・オブライエンは、その後もワイアット・アープ役を演じる機会に恵まれました。1990年にはテレビドラマ「ガンズ・オブ・パラダイス」の2つのエピソードでアープ役を演じ、バット・マスターソン役をジーン・バリーが演じました。翌1991年にも、「ザ・ギャンブラー・リターンズ ザ・ラック・オブ・ザ・ドロー」で再びバリーと共演。1994年には、映画「ワイアット・アープ リターン・トゥ・トムストゥーン」で年老いたアープを演じました。この映画の回想シーンには、テレビドラマ「保安官ワイアット・アープ」の映像が使用されています。

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