保安警務中隊

保安警務中隊とは



陸上自衛隊の各方面警務隊に直属する警務科部隊が、保安警務中隊です。中隊長は3等陸佐の警務官が務めます。主な任務は、司法警察職務と保安職務です。特に第302保安警務中隊は、防衛省陸上幕僚監部を訪問する国賓に対して、儀仗栄誉礼を行う特別な役割を担っています。

概要と任務



保安警務中隊は、司法警察職務と保安職務を主要な任務としています。2008年の中期防衛力整備計画に基づき、保安中隊から保安警務中隊に改編されました。この改編により、それまで付与されていなかった司法警察職務が追加されました。指揮系統も変更され、方面総監の権限で運用できなくなったため、国賓への儀仗任務は、師団や方面直轄部隊の人員で対応することになりました。また、保安中隊時代には広報活動としてファンシードリルを行っていましたが、保安警務中隊への改編に伴い廃止されました。

保安警務中隊の一覧




保安警務中隊の沿革



  • - 1954年(昭和29年)9月15日:警務隊保安中隊が豊島分屯地で発足。
  • - 1956年(昭和31年)1月25日:第301保安中隊札幌駐屯地に新編。
  • - 1959年(昭和34年)2月20日:第303保安中隊健軍駐屯地に新編。
  • - 1969年(昭和44年)4月1日:第304保安中隊伊丹駐屯地に新編。
  • - 1972年(昭和47年)3月16日:東北方面総監部付隊保安警務隊準備室が設置。後に東北方面保安警務隊、東北方面保安中隊へと改編。
  • - 1982年(昭和57年)3月25日:東北方面保安中隊が第305保安中隊に改編。
  • - 2008年(平成20年)3月25日:各方面隊直轄の保安中隊が廃止。同3月26日、各方面警務隊直轄の保安警務中隊が新編。

第302保安警務中隊の詳細



第302保安警務中隊は、市ヶ谷駐屯地に所在する東部方面警務隊直轄の警務科部隊です。外国の国賓が来日した際には、特別儀仗隊が編成されます。特別儀仗には、陸上自衛隊中央音楽隊が同行します。隊員は一定以上の身長が必要で、選抜基準を満たした隊員で編成されます。中隊は、本部と3つの小隊で構成され、1個小隊は3つの班で構成されています。定員は115名で、そのうち101名が特別儀仗隊として編成されます。儀仗の際には、「特別儀じょう服装」を着用します。

沿革



  • - 1954年(昭和29年)9月15日:警務隊保安中隊として豊島分屯地で発足。
  • - 1957年(昭和32年)8月27日:閣議決定により、陸上自衛隊に「国賓に対する栄誉礼及び儀じょう」任務が付与され、第302保安中隊が特別儀仗担当部隊に指定。
  • - 2000年(平成12年)3月15日:防衛庁移転計画に基づき、芝浦分屯地から市ヶ谷駐屯地に移駐。
  • - 2008年(平成20年)3月26日:東部方面隊直轄から東部方面警務隊直轄の第302保安警務中隊に改編。
  • - 2017年(平成29年)4月1日:特別儀じょう服装と演奏服装が52年ぶりに一新。冬服は緑色から紺色に、夏服は白地に赤線を入れ、日の丸をイメージしたものに変更。
  • - 2019年(平成31年)3月:儀仗銃がM1ライフルから国産の「新儀仗銃」に更新。

逸話




関連項目




脚注



  • - 各自衛隊の公式ウェブサイトや防衛省の資料を参照しました。

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