東部方面警務隊

東部方面警務隊について

東部方面警務隊（JGSDF Eastern Army Military police Group）は、陸上自衛隊の警務科部隊であり、東京都練馬区の朝霞駐屯地に所在しています。この部隊は、東部方面隊の管轄区域における警務活動を担っており、方面隊の直轄部隊として、各地区の警務隊を指揮・統括する役割を担っています。

組織構成

東部方面警務隊は、以下の部隊で構成されています。

東部方面警務隊本部：朝霞駐屯地に所在し、方面隊全体の警務活動を統括します。
地区警務隊：方面隊管轄区域を地区ごとに区分し、各地区を担当する部隊です。以下の5つの地区警務隊があります。
第125地区警務隊（相馬原駐屯地）：第12旅団管内（群馬県、栃木県、新潟県、長野県）を担当。
第126地区警務隊（練馬駐屯地）：第1師団管内（東京都、埼玉県）および防衛医科大学校を担当。
第127地区警務隊（習志野駐屯地）：第1空挺団等管内（茨城県、千葉県）を担当。
第128地区警務隊（富士駐屯地）：富士教導団等管内（山梨県、静岡県）を担当。
第129地区警務隊（久里浜駐屯地）：東部方面混成団等管内（神奈川県）を担当。
第302保安警務中隊：市ヶ谷駐屯地に所在し、方面隊の警備や警務活動を支援します。

沿革

東部方面警務隊は、1960年1月14日に方面管区制の施行に伴い編成されました。当初は多くの警務隊で構成されていましたが、1973年の改編で駐屯地警務隊が廃止され、師団警備地域に対応する地区警務隊に再編されました。その後も、部隊の移転や組織改編が重ねられ、現在の体制に至っています。

主な変遷は以下の通りです。

1960年1月14日：東部方面警務隊が編成完結（本部、第102・第104各地区警務隊、第311・第313・第315・第325・第326・第360・第362・第367・第383各警務隊）。
1973年3月27日：警務隊改編。駐屯地警務隊を廃止し、師団警備地域に対応する地区警務隊に改編。第102・第104地区警務隊が改編され、第111・第112・第113地区警務隊が新編。第311以下の各警務隊は廃止。
1994年11月：東部方面総監部の移駐に伴い、方面警務隊本部が市ヶ谷駐屯地から朝霞駐屯地へ移駐。
2000年3月28日：警務隊本部の芝浦分屯地から市ヶ谷駐屯地への移駐に伴い、第102地区警務隊市ヶ谷派遣隊を廃止。
2003年3月27日：第102地区警務隊所沢連絡班と第113地区警務隊走水連絡班が新編。
2008年3月26日：警務隊改編。第102・第104・第111・第112・第113地区警務隊を廃止し、第125～第129地区警務隊に改編。第302保安中隊が第302保安警務中隊として編合。

主要装備

東部方面警務隊では、以下の装備を使用しています。

73式小型トラック
73式中型トラック
業務車4号
乗用車 (陸上自衛隊用)（覆面パトカー型）
業務トラック
ホンダ・VFR400
ホンダ・CB400SF
64式7.62mm小銃
9mm拳銃
12.7mm重機関銃M2

これらの装備は、警務活動における移動や情報収集、犯罪捜査などに活用されます。

主な任務

東部方面警務隊の主な任務は、以下の通りです。

自衛隊員の規律維持：自衛隊員の服務に関する違反行為の取り締まりや、規律の維持に関する指導を行います。
犯罪捜査：自衛隊員が関与する犯罪の捜査や、司法警察活動を行います。
交通整理：自衛隊の車両や隊員の交通整理を行い、安全な交通環境を維持します。
警備：駐屯地や施設などの警備を行い、不審者の侵入や犯罪行為を防止します。
* 警務活動の支援：方面隊の警務活動を支援し、必要な情報や物資の提供を行います。

関連事項

東部方面警務隊は、憲兵や司法警察職員としての役割も担っています。また、行政警察活動や司法警察活動にも従事しており、自衛隊内部の秩序維持に重要な役割を果たしています。類似の部隊としては、北部方面警務隊、東北方面警務隊、中部方面警務隊、西部方面警務隊があります。

過去には、東富士演習場違法射撃事件など、警務隊が関与する事件も発生しています。

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