保木邦仁

保木邦仁：物理化学と知能情報学の融合、そしてBonanza開発者

保木邦仁（ほき くにひと）は、1975年生まれの日本の物理化学者、知能情報学者です。現在は電気通信大学大学院情報理工学研究科准教授として、研究・教育活動に従事しています。

生い立ちと学歴

北海道出身の保木は、北海道札幌東高等学校を卒業後、東北大学理学部に進学。その後、同大学院理学研究科修士課程を修了し、研究者の道を歩み始めます。日本学術振興会特別研究員を経て、トロント大学での研究生活中に、趣味でコンピュータ将棋ソフト「Bonanza」を開発しました。

Bonanza開発とコンピュータ将棋界への衝撃

2006年、保木が開発したBonanzaは、第16回世界コンピュータ将棋選手権に初出場し、見事初優勝を飾ります。当時、保木自身は将棋の知識はほとんどない初心者であったにもかかわらず、その快挙は大きな注目を集めました。2007年には、Bonanzaとプロ棋士である渡辺明竜王との特別対局が実現し、大きな話題となりました。

研究分野の展開

Bonanza開発後、保木は東北大学高等教育開発推進センター助教として、光駆動分子モーターに関する研究に取り組みました。2010年8月からは、電気通信大学先端領域教育研究センター特任助教として、「知能情報学」分野の研究を開始。「思考型ゲームにおける合議法の展開と名人の知を超える人工知能の開発」や「化学反応などに関する研究」をテーマとしています。2015年4月からは、電気通信大学大学院情報理工学研究科准教授に着任し、引き続き知能情報学を研究分野として、思考型ゲームにおける高精度評価関数の設計および人工知能の開発に取り組んでいます。

主な研究テーマ

思考型ゲームにおける合議法の展開と人工知能開発
思考型ゲームにおける高精度評価関数の設計
化学反応に関する研究

所属学会

人工知能学会
情報処理学会
分子科学会
日本化学会

著書・論文

ボナンザVS勝負脳―最強将棋ソフトは人間を超えるか (角川書店, 2007年、渡辺明との共著)
将棋における合議アルゴリズム-局面評価値に基づいた指し手の選択- (ゲームプログラミングワークショップ2009論文集)
あから2010勝利への道 : 2．あから2010のシステム設計と操作概要 (情報処理)
あから2010勝利への道 : 4．清水女流王将 vs あから2010：コンピュータの思考過程を追う (情報処理)

受賞歴

2014年度日本情報処理学会 長尾真記念特別賞

電気通信大学

https://researchmap.jp/read0103144

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