信光寺 (瑞浪市)

瑞巌山 信光寺

信光寺は、岐阜県瑞浪市土岐町に位置する臨済宗妙心寺派の寺院です。山号を瑞巌山と称し、静かで落ち着いた雰囲気が特徴です。この寺院は、地域の歴史と深く結びついており、数々の文化財を今に伝えています。

歴史

信光寺の歴史は、16世紀初頭に稲葉寺として始まったと伝えられています。当初、神篦城主の延友信光が顕考を招いて開山したとされていましたが、延友信光の記録が元亀・天正年間のものであることから、この説は事実ではないと考えられています。

その後、元亀元年（1570年）に延友信光が小庵であった稲葉寺を再興し、伽藍を持つ寺院として中興開基しました。しかし、天正2年（1574年）には武田勝頼の東濃侵攻によって兵火で焼失するという悲劇に見舞われました。

江戸時代に入り、慶長12年（1607年）に三河三玄寺五世の安渓の法弟である椽室宗採が、現在地に寺を再建しました。椽室宗採は、明知遠山氏の菩提寺である龍護寺や萬勝寺を開山した人物でもあります。さらに、寛永16年（1639年）には、その法弟である哲堂祖十が中興一世となり、現在の信光寺へと続いています。

元禄8年（1695年）には、土岐巡礼三十三所の四番札所にも選ばれ、「後の世も　照さざらめや　小暮の信(まこと)を光(てら)す　寺のともしび」という歌が詠まれました。

境内

信光寺の境内には、歴史的価値の高い文化財がいくつか存在します。

石幢

境内にある六地蔵(石幢)は、瑞浪市指定文化財に指定されています。高さ約230cmの花崗岩製の石幢で、六角形の幢身にはそれぞれ地蔵菩薩が浮き彫りされています。この石幢は、かつて葬場の入口に立てられていたものが移設されたもので、死者の供養や慰霊のために造立されたと考えられています。竿には「寛文貮天」の文字が刻まれており、寛文2年（1662年）に造立されたことがわかります。

名号碑

境内には、元々神篦城（鶴ヶ城）の敷地内にあったとされる、寛文11年（1671年）、享保3年（1718年）、享保13年（1728年）の名号石と、寛延4年（1751年）の石造物があります。

末寺

信光寺の末寺として、恵那市にある常久寺があります。

関連リンク

• - 信光寺公式ホームページ
• - 【第二番】瑞巌山　信光寺　瑞浪市観光協会
• - 信光寺石幢　瑞浪市役所

参考文献

• - 『瑞浪市史』　第六編　第五章　文化と信仰(文化宗教史)　第二節　寺社と信仰　二　市内の近世寺院　臨済宗妙心寺派竜泉門派　瑞巌山信光寺　p1025 瑞浪市　昭和49年(1974年)
• - 『ふるさとの歴史 : 郷土学習のための各町概史 (瑞浪市郷土史シリーズ ; その1)』　土岐町概史　近世　 神篦本村　p59～p66　渡辺俊典　瑞浪市郷土史研究会　1983年

信光寺は、長い歴史の中で地域の人々の信仰を集めてきた寺院であり、その境内には多くの歴史的遺産が残されています。訪れる人々にとって、静かで心安らぐ場所となるでしょう。

もう一度検索