信用照会端末

信用照会端末（CAT）について

信用照会端末（Credit Authorization Terminal、略称CAT）は、クレジットカード加盟店において、カードの有効性を確認するために利用される装置です。これにより、決済の際にリアルタイムでカード情報を照会することが可能となり、取引の信頼性が向上します。

歴史と技術進化

1980年代前半、日本で初めてのクレジットカード決済ネットワークであるCAFISが登場する以前は、クレジットカードの決済手続きは主にアナログな方法で行われていました。具体的には、カードの情報をインプリンタを用いて伝票に転写し、後日カード会社に郵送するという流れでした。しかし、この手法では偽造カードを見抜くのが難しく、全体的に取引にかかる時間も長かったため、クレジットカードの普及は限定的でした。

それに対して、CATはCAFISと連携することで、ほぼ即座にカードの有効性確認ができるようになりました。これにより、高額取引や多くの小売業者におけるカード決済が可能となり、クレジットカード使用の敷居が大きく下がりました。特に、バブル経済の消費拡大にあわせ、多くの店舗で採用され、現在では日常生活に不可欠なインフラとなっています。

端末の種類と機能

CATにはいくつかの種類が存在します。一般的なCATは、クレジットカードの磁気ストライプを読み取り、CAFISを介して発行会社に問い合わせます。応答があれば、売上伝票を印字して決済が完了します。さらに、簡易型のS-CATや、認証と同時に決済機能も搭載したG-CATなどが存在し、用途に応じた選択が可能です。

最近では、CCT（Credit Center Terminal）も広まり、これにより多様な決済方法に対応する端末が増加しました。各種のクレジットカードや電子マネー、QRコード決済にも対応するなど、決済の選択肢が広がっています。

セキュリティと規約

近年、クレジットカードの不正使用が増える中で、端末のセキュリティも重要な課題となっています。すべてのCAT/CCT端末には機器分解の痕跡がわかる「封印シール」があるため、不正改造が困難になっています。また、端末の入手や設置には、規定された契約に基づく手続きが必要で、譲渡は禁止されています。

現状の利用状況と将来展望

近年では、タッチ決済や各種非接触決済端末の普及が進んでいます。これにより、顧客の利便性が向上し、店舗の運営負担の軽減にも繋がります。また、モバイル決済やQR決済の需要が高まっており、今後の市場動向にも注目です。

タクシー業界や飲食業界でもCATやCCT端末の導入が急増しており、多くの店舗で導入が進んでいます。2020年以降、POSレジとの連携が強化されるなど、技術革新が続いています。これからも進化を続ける信用照会端末は、非常に重要なビジネスインフラとしての役割を担っています。

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