俳句 (雑誌)

『俳句』は、角川文化振興財団が発行する月刊の俳句総合誌であり、俳句の世界において重要な役割を果たしてきました。1952年6月に角川書店から創刊され、その歴史は日本の現代俳句の発展と深く結びついています。

創刊号には、俳句界の重鎮である高浜虚子の句「登山する健脚なれど心せよ」が掲載され、雑誌の新たな門出を祝いました。この句は、俳句の道を進む者への戒めと激励の意味を込められていたと考えられます。

編集は、当初石川桂郎が担当し、その後、発行人である角川源義を経て、1953年11月からは大野林火に引き継がれました。大野林火の時代には、社会性俳句の特集が組まれるなど、従来の俳句の枠にとらわれない新たな試みがなされ、俳壇に活気をもたらしました。社会性俳句は、社会問題を題材にした俳句であり、当時の社会情勢を反映した新しい俳句の潮流を生み出しました。

1955年2月には、角川俳句賞が設立されました。この賞は、俳壇における登竜門としての地位を確立し、多くの俳人を輩出してきました。角川俳句賞の設立は、俳句界の活性化に大きく貢献し、俳句の創作活動を奨励する重要な役割を果たしています。また、同年からは臨時増刊号として『俳句年鑑』が毎年1回発行されるようになり、その年の俳句界の動向をまとめた貴重な資料として、俳句研究者や愛好家にとって欠かせないものとなっています。

1957年1月には、編集者が西東三鬼に交代し、その後は角川書店（現在の角川文化振興財団）の社内スタッフが編集を担当するようになりました。西東三鬼は、自由律俳句の旗手として知られており、彼の編集によって雑誌の方向性にも変化が見られました。

参考文献として、小島健氏の『現代俳句大事典』や吉野洋子氏の『現代俳句ハンドブック』などが挙げられます。これらの文献は、『俳句』の歴史や俳句界における位置づけを理解する上で有益です。

『俳句』は、公式サイトを通じて情報発信を行っており、全国書誌番号は00019683です。この雑誌は、俳句の世界に興味を持つ人々にとって貴重な情報源であり、日本の俳句文化の発展に貢献しています。

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