俵山

俵山（たわらやま）

熊本県阿蘇郡西原村と南阿蘇村にまたがる標高1,095mの山。
山頂は西原村に位置し、阿蘇外輪山の西端を形成する一峰です。この山は、先史時代の阿蘇山大噴火によって形成された、東西18km、南北25kmにも及ぶ広大な外輪山の一部です。

概要

俵山の東斜面は阿蘇カルデラの南郷谷に面しており、急な勾配を持っています。一方、西斜面は比較的緩やかで、熊本平野へと続いています。山の名前は、南郷谷から見上げた時の山容が、積み上げられた米俵のように見えることに由来します。

春には野焼きが行われ、山腹には広大な草原が広がります。この草原からは、阿蘇山をはじめとする周辺の山々や、カルデラの雄大な景色を一望できます。そのため、登山やハイキングコースとして人気があり、多くの人々が訪れます。

山腹の西側には、熊本市や有明海方面を遠くまで見渡せる扇坂展望所があります。東側には、阿蘇五岳と眼下に広がるカルデラを一望できる俵山峠展望台が設置されています。

山頂への登山ルートは複数あり、揺ヶ池登山口から登るコース、俵山展望台の駐車場から登るコース、グリーンロード南阿蘇の地蔵峠から尾根を縦走するコースなどが利用できます。

かつて、熊本市と高森町を結ぶ熊本県道28号線は、俵山峠（標高700m）を越えるルートでした。しかし、この峠道は七曲峠とも呼ばれるほど急カーブが連続し、霧や冬季の道路凍結により、交通の難所となっていました。この状況を改善するため、2003年に俵山の山腹を長大なトンネルである俵山トンネルと南阿蘇トンネルで抜ける俵山バイパスが完成しました。これにより、熊本市から南阿蘇方面へのアクセスが大幅に向上しました。

2005年には、西側の山腹に風力発電所「阿蘇にしはらウィンドファーム」が建設されました。10基の大型風車は、熊本市東郊からも見ることができ、地域のシンボルとなっています。2016年の熊本地震では、9基がひび割れなどの被害を受けましたが、2018年には9基が復旧し、稼働を再開しました。

アクセス

車

九州自動車道益城熊本空港インターチェンジから県道206号線を経由し、県道28号線（熊本高森線）に入り、約22kmの距離です。

バス

熊本市内（熊本駅・熊本桜町バスターミナル）方面から、快速たかもり号に乗り約60分。「萌の里・俵山登山口」バス停で下車してください。

周辺施設

俵山コスモス園
俵山交流館萌の里
南阿蘇俵山温泉
俵山温泉 泉力の湯
風の里キャンプ場
阿蘇にしはらウィンドファーム

関連項目

大観峰：俵山と並び、阿蘇カルデラを一望できる人気スポット。

外部リンク

俵山峠カルデラジオサイト - 阿蘇ジオパーク
* 俵山展望所 - 南阿蘇村

もう一度検索