俵山トンネル

俵山トンネル

俵山トンネルは、熊本県道28号熊本高森線、通称俵山バイパスに設けられた道路トンネルです。熊本県阿蘇郡西原村と南阿蘇村の境界に位置し、地域を結ぶ重要な交通インフラとしての役割を担っています。トンネルの全長は2,057メートルで、上下線それぞれ1車線が確保されています。

歴史

1993年から熊本県によって整備が進められ、俵山トンネルを含む約6キロメートルの区間が2003年10月10日に開通しました。この区間には、全長757メートルの南阿蘇トンネルと4つの橋梁も含まれています。俵山トンネルには、安全対策として、トンネル入口手前に電光式の警報表示板が設置されているほか、トンネル内部には45台の押しボタン式通報装置と24台の非常電話機が設置されています。

2016年4月14日に発生した熊本地震では、トンネルの覆工コンクリートが崩落するなどの大きな被害を受けました。このため、国土交通省九州地方整備局は、同年6月29日からトンネルの補修工事に着手し、同年12月24日に、俵山トンネルを含む県道約10キロメートルの仮復旧工事を完了しました。これにより、地震発生からおよそ8ヶ月ぶりに通行が再開されました。

整備効果

俵山トンネルが開通する以前、俵山峠の旧道は道幅が狭く、急カーブが連続する難所であり、冬季には路面凍結も発生していました。俵山トンネルの開通によって、この難所を迂回することが可能となり、旧道と比較して約3キロメートルも短縮されました。これにより、熊本市街や熊本空港方面と南阿蘇村、高森町方面を結ぶ主要な観光ルートとして機能し、多くの交通量を捌いています。開通当初の想定交通量は、平日で1日あたり約5,100台、休日で約8,800台と見込まれていました。

俵山トンネルは、地域住民の生活を支えるとともに、観光客にとっても快適な移動を可能にする重要なインフラ施設です。地震からの復旧を経て、その重要性が再認識されています。

もう一度検索