倉羅峠

倉羅峠（くららとうげ）

倉羅峠は、徳島県吉野川市美郷倉羅と名西郡神山町上分名ヶ平の境に位置する、美しい自然に囲まれた峠です。この峠の標高は770メートルであり、登山やハイキングを楽しむ人々にとって魅力的なスポットとなっています。また、峠の別名は経ノ坂峠（きょうのさかとうげ）であり、その名前には深い歴史が秘められています。

概要

この峠が通る道は、国道193号として指定されています。峠道は吉野川市側と神山町側の両方からアクセス可能ですが、他の難所峠と比べると必ずしも簡単ではありません。線形の悪さや幅員の狭さ、急勾配が特徴で、特に一部の箇所では勾配が10パーセントを超えることもあります。そのため、安全に通行するためには十分な注意が必要です。

この地域では、高い降水量が記録されると通行止めになる事前通行規制が行われます。具体的には、1時間あたり50ミリ以上の雨が降るか、連続した降雨が150ミリを超えると、通行が制限されます。そのため、訪れる際には事前に天候情報を確認することが重要です。また、現在、倉羅トンネルを含む倉羅バイパスが徳島県によって整備されています。この新しいバイパスが開通すれば、峠道の通行がより安全かつ快適になることでしょう。

伝承

倉羅峠の別名である経ノ坂峠は、弘法大師（空海）が修行中、この地で経を唱えていたとされる伝承に由来しています。この伝説は、地域の人々にとって大切な歴史であり、現在も信仰の象徴として残されています。峠道には、弘法大師の像が道路沿いに建立されており、多くの参拝者が訪れるスポットとなっています。

この弘法大師像は、かつて旧道に設置されていましたが、1978年に現道が開通したことで、交通量の減少に伴い1985年に現在地に移設されました。像の移転に際しては、その経緯を記した「経の坂大師由来」石碑も同時に建てられ、訪れる人々にその歴史を伝えています。

まとめ

倉羅峠は、自然に囲まれた歴史的な峠で、弘法大師にまつわる伝説も伝わる特別な場所です。安全な通行のためには、事前に通行規制や降水量に注意を払い、訪問時には自然の美しさを楽しむことができるでしょう。今後、倉羅バイパスの整備が進めば、より多くの人々がこの峠の魅力を体感できるようになるでしょう。

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