倶胝

倶胝（くてい）とは

倶胝（くてい）、または拘胝（こうてい）、コーティ（梵: koți）は、数の単位の一つで、主に107（10の7乗）を示します。この単位は特に華厳経において重要で、多くの場面で数の基準として登場します。

華厳経における倶胝

倶胝は、華厳経の巻第45にあたる阿僧祇品第30に見られる重要な単位です。この経典では、倶胝を基準にして様々な数が列挙され、107以上の上数が続々と出てきます。具体的には、倶胝の次には108（1億）を示す数が続き、さらに阿庾多、那由他、頻波羅、矜羯羅、阿伽羅などの命数が加わります。それらは全体で計123もの命数にわたります。最終的には、不可説不可説転というさらに大きな数に達します。

修辞的な解釈

一般に倶胝は107として知られていますが、108を指すこともあるため、異なる解釈が存在します。特に日本においては、この数を指す際に「千万（せんまん）」という言葉が多く使われるのが特徴です。また、倶胝は華厳経で使用される数詞の中で、洛叉（らくしゃ、105）に次ぐ小さな数でもあります。元々倶胝は計り知れない数を示していたと考えられており、その意味合いからも宗教的または哲学的な深い思索を促す存在なのです。

現代における倶胝

現代のインドにおける数の単位であるカロール（crore、करोड़）は、倶胝と同様に107を表し、経済や日常的な取引の単位として頻繁に使用されています。このように、倶胝は歴史的背景だけでなく、現代の社会でもその影響力を持ち続けていることを示しています。

まとめ

数としての倶胝は、華厳経やその他の文献からもその重要性が伺えます。また、異なる文化圏や時代においてもその相応の役割を果たしており、日本語においては「千万」という表現が一般化するなど、日常生活とも密接に結びついています。倶胝は単なる数ではなく、広い意味での数の思考や宗教概念に結びつく知恵の一形態と言えるでしょう。

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