健男霜凝日子神社

健男霜凝日子神社について

健男霜凝日子神社（たけおしもごおりひこじんじゃ）は、大分県竹田市にある重要な神社です。この神社は祖母山信仰を基にした祭りに由来しており、上宮、下宮、神幸所、穴森神社の4つの構成要素からなっています。神社は「嫗岳大明神」「鵜羽明神」とも称されています。

歴史的な沿革

この神社の歴史は古く、651年（白雉2年）に下宮の社殿が建立されたとの伝承があります。さらに、承和10年（843年）には『続日本後紀』において従五位下の神階を授けられ、元慶7年（883年）には『三代実録』により正五位下に昇格しました。927年に施行された『延喜式神名帳』では、豊後国の5つの社の中に「健男霜凝日子神社」として記載されています。特に下宮または穴森神社が該当する社として考えられています。また、明治時代に入ってからは、明治6年（1873年）に郷社、翌年には県社に指定されています。

社宝

神社が有する社宝には、鏡や宝刀、扁額、そして軍旗などが含まれており、これらは神社の歴史や信仰の象徴となっています。

各社の概要

上宮

上宮は祖母山の頂上に位置しており、現在は祭祀は行われていません。この場所は、宮崎県側の山麓にある祖母嶽神社の上宮とも所縁があります。

下宮

下宮は大分県竹田市神原の1822番地に位置し、白雉2年（650年）に建立されたとされています。別名として健男神社や健男社とも呼ばれています。穴森神社と共に、『延喜式神名帳』に記載された「健男霜凝日子神社」の候補とされています。

神幸所

神幸所は大分県竹田市神原の1772番地にあります。かつては遥拝所として機能していましたが、昭和9年（1934年）に国幣小社への昇格を目指して社殿が建設されました。しかし、昇格は実現せず、戦後には祭事の中心地となって現在に至っています。

穴森神社

穴森神社は大分県竹田市神原の1432番地に位置しており、祭神は嫗嶽大明神です。この神社の背後には、嫗岳大明神の化身とされる大蛇が棲む岩窟があり、これは御神体として崇められています。岩窟からの小石を持ち帰ることが子宝につながるという伝説があり、恋愛や子宝祈願のために多くの参拝者が訪れています。かつては池の明神、窟大明神とも呼ばれていました。下宮と同様に、穴森神社も『延喜式神名帳』に記載された「健男霜凝日子神社」の論社とされています。


この神社は、歴史的な価値のみならず、地域社会においても重要な役割を果たしています。

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