傅僉

傅僉の生涯とその業績

傅僉（ふ せん）は、中国の三国時代の蜀漢で活動した著名な武将です。彼は荊州義陽郡に生まれ、父の傅彤も蜀漢の武将として仕官していました。父親と同様に、傅僉も熱烈な忠義を持ち、武士としての道を歩んでいきました。

家族と早期の経歴

傅僉は、父の戦死後にその後を継いで左中郎将に任命され、続いて関中都督として任務をこなすことになります。章武2年（222年）においては、父が夷陵の戦いで戦死するという悲劇が彼の人生に影を落としましたが、それでも傅僉は蜀漢に忠誠を誓い、軍の指導者としての役割を果たしました。

最期の戦い

景耀6年（263年）、魏の侵攻が始まった際、傅僉は蔣舒と共に陽安関を守る任務を遂行していました。しかし、蔣舒は敵に勝利することを重視し、出撃を提案します。傅僉はその出撃を諫止したものの、蔣舒は言うことを聞かず率先して出撃しました。その結果、蔣舒は戦闘をせずに魏の先鋒である胡烈に降伏してしまいます。

傅僉は、困難な状況に直面しながらも奮闘しましたが、敵軍の襲撃によって最終的に戦死してしまいます。彼の最後の意志は「蜀の臣として生まれたからには、死して蜀の鬼となる」というもので、彼の忠誠心と義務感を象徴する言葉として今も語り継がれています。

後世の評価

傅僉の名声は、その死後も評価され続けました。西晋の皇帝司馬炎は、傅彤と傅僉父子の忠義を称え、詔を発しました。傅僉の子供たちである傅著と傅募は、官奴にされた後に赦免され庶人となるものの、彼らもまた父の影響を受けて生きていったと考えられています。

三国志演義における傅僉

小説『三国志演義』では、傅僉は荒々しい武将として描かれています。彼は鉄扇と薙刀を愛用し、姜維に重用され、北伐に参加して活躍しました。魏との戦いでは、王真を捕え、李鵬を討ち取り、鄧艾にも勝利を収めるなど、その武勇を示しました。

しかし、魏軍が蜀へと大挙して攻め込んでくる中で、彼は再び蔣舒と行動を共にします。鍾会の軍が迫ってくると、蔣舒は防戦を提案しますが、傅僉はこれを無視して出撃を決定しました。結果的に、蔣舒は鍾会に投降し、陽平関を明け渡すこととなりました。傅僉はその事態に激怒し、全力で奮戦しますが、戦局は彼にとって非常に厳しいものでした。

最終的に彼は、自らの死を選択し、蜀の一人として名を残すこととなります。傅僉の生涯は、蜀漢における忠勇のシンボルとして、後世に語り継がれていくことになりました。

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