備仲臣道

備仲臣道

備仲臣道（びんなか しげみち、1941年3月21日 - ）は、日本の著述家であり、在野の史家として知られています。特に日朝関係史に対する深い造詣を持っています。

生い立ちと経歴

1941年3月、日本統治下の朝鮮、現在の大田広域市で、中鮮日報の編集長であった備仲玉太郎の長男として生を受けました。終戦後、母と祖母と共に日本へ帰国し、広島県尾道市で生活を始めます。その後、父親の仕事の関係で山梨県甲府市へ転居しました。

山梨県立甲府第一高等学校を卒業後、山梨時事新聞に入社し、記者としてのキャリアをスタートさせます。在学中は生徒会副会長を務め、その功績により同窓会から表彰を受けています。

1964年には山梨時事新聞労働組合の書記次長に就任しますが、編集局長であった父親と対立し、大月支局へ異動となります。1969年、山梨時事新聞が山梨日日新聞に吸収合併される際、企業閉鎖と全員解雇に反対し、労働組合の専従として闘いました。しかし、多くの従業員が退職勧奨に応じる中、争議の首謀者として解雇され、その後も労働組合の書記長として活動を続けました。労組事務所の占有を巡る裁判では、甲府市議会の委員会室を占拠するなど、抵抗運動を繰り広げました。

1970年、甲府地方裁判所の和解勧告により、解雇撤回・退職という形で決着を迎えました。その後はPR誌の編集など、様々な仕事に従事します。

1982年8月には月刊誌『月刊新山梨』を創刊し、編集発行人として活動しますが、1993年11月に資金難のため休刊となりました。

1998年から2007年まで、高麗美術館の館報に李朝・高麗美術に関するエッセーを連載。また、『月刊社会民主』などにも小説を連載しています。2002年には随筆「メロンとお好み焼き」で、第6回岡山・吉備の国「内田百閒文学賞」優秀賞を受賞しています。2009年8月、東京都国立市へ転居しました。

著書

備仲臣道は、日朝関係史や美術、文学に関する著書を多数発表しています。

『蘇る朝鮮文化』（明石書店、1993年）
『輝いて生きた人々』（山梨ふるさと文庫、1996年）
『高句麗残照』（批評社、2002年）
『Let it be』（皓星社、2006年）
『美は乱調にあり、生は無頼にあり　幻の画家竹中英太郎の生涯』（批評社、2007年）
『司馬遼太郎と朝鮮』（批評社、2008年）
『坂本龍馬と朝鮮』（かもがわ出版、2010年）
（礫川全次と共著）『攘夷と皇国』（批評社、2009年）
『甲府中学・甲府一高100年誌』
『読む事典 内田百閒 我楽多箱』（皓星社、2012年）
『ある在朝日本人の生涯』（社会批評社・電子ブック、2013年）
『内田百閒文学散歩』（皓星社、2013年）

これらの著作を通して、備仲臣道は独自の視点から歴史や文化を考察し、読者に新たな知識と視点を提供しています。

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