備前福河駅

備前福河駅：歴史と現状、そして周辺環境

備前福河駅は、兵庫県赤穂市福浦に位置する西日本旅客鉄道（JR西日本）赤穂線の駅です。1955年3月1日、赤穂線播州赤穂駅～日生駅間の延伸開業と同時に開設されました。当時、この地は岡山県和気郡福河村に属していたため、駅名は旧国名である備前国と村名から名付けられました。その後、同年3月31日に日生町となり、1963年9月1日に兵庫県に編入されましたが、駅名には「備前」の名残が今も残されています。

国鉄時代は岡山鉄道管理局の管轄でしたが、現在は近畿統括本部管内に属しています。しかし、播州赤穂駅～備前福河駅間では、列車運行は中国統括本部、施設管理は近畿統括本部という特異な状況となっています。駅周辺には支社境界標があり、その先が中国統括本部管轄となります。

歴史を紐解くと、開業当初は有人駅でしたが、1969年11月24日には荷物扱い廃止、簡易委託駅化されました。そして、1987年4月1日の国鉄分割民営化によってJR西日本の駅となりました。近年では、2018年9月15日にICOCA対応となり、ICカードでの利用が可能になりました。

駅の構造は、岡山方面に向かって右側に単式ホーム1面1線を有する地上駅です。かつては島式ホーム1面2線でしたが、これは旅客用と貨物機回用として使用されており、列車交換のためではありませんでした。赤穂線電化の際に、現在の1面1線に改築されました。線路は駅構内両端でS字カーブを描いており、これは赤穂線が山陽本線の代替線を目的として敷設された名残です。当初は優等列車の直線通過を可能にする計画がありましたが、赤穂線が地域ローカル線として位置付けられたため、計画は中止されました。

備前福河駅は相生駅管理の無人駅であり、自動券売機や自動改札機は設置されていません。駅舎は北側に位置し、有人駅だった頃の窓口は板で塞がれ、倉庫として利用されています。しかし、2017年9月10日には駅舎西側に多目的トイレが新設されるなど、利用者への配慮も進められています。

利用状況は、近年減少傾向にあり、2022年度の1日平均乗車人員は21人と、赤穂線内では最少となっています。ICOCA利用履歴では駅名が「備福河」と略記されることも特徴の一つです。

駅周辺は比較的開けた場所であり、住宅地が点在しています。福浦簡易郵便局、赤穂市市内循環バス「ゆらのすけ」備前福河駅口停留所（月曜・水曜・金曜のみ運行）、赤穂警察署福浦駐在所、国道250号、赤穂市消防団第15分団などが駅周辺にあります。静かで落ち着いた雰囲気の駅であり、周辺住民にとって身近な存在と言えるでしょう。

隣の駅は、西側が天和駅、東側が寒河駅です。備前福河駅の現状と歴史、そして周辺環境を知ることで、この小さな駅の持つ魅力をより深く理解できるのではないでしょうか。

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