僕らはみんな生きている

『僕らはみんな生きている』は、一色伸幸氏による原作を基にしたメディアミックス作品で、漫画と映画の二つの形態で展開されています。

漫画

漫画版は、1992年から小学館の漫画雑誌『ビッグコミックスピリッツ』で連載されました。原作者の一色氏が構想していた映画シナリオをベースに、山本直樹氏が作画を担当。独特な世界観と、妖艶なタッチが特徴です。ブロガーのじゃまおくんは、その魅力を、主人公のセーナによるスパイ活動と、山本氏の成人向け漫画で培われた作画がビジネス漫画という異質な組み合わせと評しています。

あらすじ

物語の舞台は、軍事クーデターが頻発するアジアの架空の発展途上国タルキスタン。主人公の建設会社サラリーマンは、橋の建設プロジェクトのため長期海外出張に赴きます。そこでは、ライバル企業も受注を狙い、熾烈な競争が繰り広げられます。仕事第一の日本人たちの姿が、自虐的に描かれている点が特徴です。

コミックス

小学館ビッグスピリッツコミックスより以下の巻数が刊行されています。

1巻 ISBN 4-09-183101-X
2巻 ISBN 4-09-183102-8
3巻 ISBN 4-09-183103-6
4巻 ISBN 4-09-183104-4

また、ビッグコミックススペシャルからは上下巻で刊行されています。

上巻 ISBN 4-09-185773-6
下巻 ISBN 4-09-185774-4

映画

1993年には、滝田洋二郎監督、一色伸幸氏自身の脚本で映画化されました。製作は松竹が担当し、主題歌には『手のひらを太陽に』が起用されています。

映画版では、タルキスタンをタイで撮影し、現地の俳優がタルキスタン人を演じています。劇中で使用されるタルキスタン語はタイ語が用いられています。

あらすじ

商社マンで技術者の高橋は、橋建設プロジェクトの売り込みのため、タルキスタンへ出張します。現地駐在員の中井戸や、ライバル企業の富田らと共に、軍事政権の最高指導者カッツ大佐のパーティーに出席中、軍事クーデターが発生。市街戦が繰り広げられる首都に取り残された高橋たちは、ジャングルを抜けて空港を目指します。しかし、途中で中井戸がゲリラ軍に捕らえられてしまいます。

キャスト

高橋啓一：真田広之（三星建設技師）
富田賢造：岸部一徳（IBC支店長）
升本達也：嶋田久作（IBC社員）
井関修次郎：ベンガル（蝦の仲買業者）
中井戸浩：山﨑努（三星建設支店長）
倉岡美由紀：早見優（三星建設社員、高橋の恋人）
雀崎：螢雪次朗（現地下請）
昭子：田根楽子（雀崎の妻）
セーナ：Kovit Wattanakun（三星建設運転手。ソルボンヌ大学卒の元御曹司）
カッツ大佐：Toon Hirunyasup（タルキスタン軍大佐）

スタッフ

監督：滝田洋二郎
原作・脚本：一色伸幸
音楽：清水靖晃
音楽プロデューサー：佐々木麻美子
主題歌：ヘレン・メリル「手のひらを太陽に」（訳詞：アルフレッド・バーンバウム 編曲：清水靖晃）
撮影：浜田毅
美術：山口修
録音：林大輔
照明：高屋斉
編集：冨田功
助監督：井原真治、徳市敏之、鬼頭理三
音響効果：東洋音響カモメ（伊藤進一、北田雅也）
タイトル：マリンポスト
現像：IMAGICA
スタジオ：にっかつ撮影所
プロデューサー：丸山富之、油谷昇、深澤宏、榎望
製作者：小林壽夫
製作協力：メリエス

漫画との相違点

映画版では、漫画版といくつかの点で異なっています。

漫画ではタルキスタン従業員のセーナは女性ですが、映画では男性に変更されています。
漫画版では、中井戸による高橋の帰国妨害工作が描かれています。
ラスト部分も、映画版では簡略化されていますが、漫画版ではさらに複雑な展開が用意されています。

外部リンク

僕らはみんな生きている - allcinema
僕らはみんな生きている - KINENOTE
僕らはみんな生きている - オールムービー（英語）
* 僕らはみんな生きている - IMDb（英語）

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