元柳町 (仙台市)

元柳町の歴史と現状

元柳町は、江戸時代から昭和の住居表示が施行されるまで、宮城県仙台市青葉区に存在していた町名および道路名です。仙台市の「歴史的町名等活用推進事業」により、その一部が「元柳町通」として認定されています。具体的には、元柳町についての記録はよく文献に登場しますが、地番入りの町名一覧表では「本柳町」とも呼ばれていました。

元柳町の背景

元柳町の歴史は深く、伊達氏の支配の下で形成された町として知られています。伊達政宗に従った商人たちは、仙台城の城下町に移る際、町単位で移転し、これを御譜代町と呼びました。その中の一つが「柳町」であり、もともとは城下町の西側に位置していました。しかし、1627年ごろに「柳町」は奥州街道沿いに移転し、その跡地が「元柳町」と名付けられました。

仙台の城下町には、町を示す名称に特有のルールが存在しており、「丁」と「町」とでは意味が異なります。「元柳町」という名称は「町（まち）」と名付けられているものの、その実態は武家屋敷や職人町として活用される形となりました。これは、他の町名でも見られ、「元鍛冶丁」のように侍町を意味する「丁」を用いる事例もありました。

元柳町の現在

dこの町名の現状を見ると、仙台の元柳町は、現在の西公園通や西公園内に位置しています。元柳町は丁字路のような独特の形状を持ち、南端は大町交差点に接し、北上して次の丁字路で東に延びる道も元柳町と呼ばれています。この経路は現在「元柳町通」として人々に利用されています。

1926年11月25日、仙台市電が開業される際、元柳町の南北道区間が拡幅された上で軌道が敷かれました。この整備に伴い、町はさらに発展を遂げました。もともと沿道に存在していた元柳町の部分は、2000年から始まった仙台市の歴史的町名活用事業によって認定された道路の一部となりました。

町名の変遷

江戸時代の地図には元柳町の名称は見当たらないものの、大正時代の地図では、その範囲が明示されています。1970年には住居表示が施行された際、通りの名称は町名ではなく街区方式に変更されました。これに伴い、西公園通より西側の地域は「桜ヶ岡公園」となり、東側は大町二丁目や立町の一部として区分されました。また、元柳町通は2000年以降に道の名前として認定され、現在に至るまで仙台の歴史に根付いた存在として残っています。

元柳町は、その名の通り町の重要な歴史的要素を持ちながら、現代の都市計画においても新たな役割を果たしています。このように、元柳町は過去と未来をつなぐ興味深い場所であり、市民にとっても訪れる価値のあるエリアといえるでしょう。

もう一度検索