元祐皇后

元祐皇后：波乱の生涯を送った北宋の皇后

元祐皇后（げんゆうこうごう）は、北宋の哲宗の皇后であり、その生涯は政治的な動乱に翻弄されました。彼女は二度も皇后の地位を廃されながらも、最終的には南宋の高宗によって皇太后として尊ばれました。本記事では、彼女の生涯を詳細に解説します。

生涯

元祐皇后は、洺州の出身で、孟在と王氏の娘として生まれました。彼女は、宣仁太后によって多くの名家の娘の中から選ばれ、元祐7年（1092年）に20歳で哲宗の皇后となりました。当時、哲宗は17歳でした。

しかし、哲宗は婕妤劉氏（後の昭懐皇后）を寵愛し、孟氏は劉氏としばしば対立しました。紹聖3年（1096年）には、掖庭の獄が起こり、孟氏は呪詛、媚薬使用、病原投与の罪で皇后を廃され、瑤華宮に移されて道士にさせられました。この時の法号は「華陽教主」「玉清静妙仙師」でした。

元符3年（1100年）、哲宗が崩御すると、欽聖皇后によって皇宮に召され、皇后に復して元祐皇后を称しました。しかし、崇寧元年（1102年）には、徽宗によって再び廃され、瑤華宮に移されました。新しい法号は「希微元通知和妙静仙師」でした。瑤華宮で火事が起こり、孟氏は延寧宮に移り、その後、延寧宮も焼失したため、実家に帰りました。

靖康の変の際、廃后として実家にいたことが幸いし、金に捕らえられ連行されるのを免れました。金は北宋の宰相であった張邦昌を傀儡として「大楚皇帝」に擁立し、北宋の旧領を間接統治しようとしました。しかし、金軍が撤収すると、張邦昌は帝位を放棄し、孟氏を元祐皇后として尊奉し、垂簾聴政させました。孟氏は自ら書を認め、開封を脱出していた康王趙構（後の高宗）が宋の皇統を継いだことを内外に告げました。

南宋の建炎元年（1127年）、孟氏は元祐太后を号し、祖父の孟元の名前を避諱して、隆祐太后と改号しました。紹興元年（1131年）4月、越州の行宮で崩御し、昭慈献烈皇后と諡され、後に昭慈聖献皇后と改められました。

子女

福慶公主（洵美帝姫）

脚注

伝記資料

『続資治通鑑長編』
『宋会要輯稿』
『廃皇后孟氏詔』
『復元祐皇后制』
『再廃元祐皇后詔』
『孟沖真賜希微元通知和妙静仙師詔』
『張邦昌請元祐皇后垂簾聴政手書』

関連項目

* 掖庭の獄

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