元祖どっきりカメラ

元祖どっきりカメラ

『元祖どっきりカメラ』は、1970年代から1990年代にかけて日本テレビなどで放送された有名なバラエティ番組です。この番組は、視聴者に驚きを提供するドッキリ企画を中心に展開され、数々の名シーンを生み出しました。

番組の背景

『元祖どっきりカメラ』の源流は、1969年から放送されていた「なんでもやりまショー」という番組内のコーナーにさかのぼります。このコーナーもまた、どっきり企画を扱っており、司会は宍戸錠と高松しげおが務めていました。しかし、1970年に入り、金原二郎を総合司会に迎え、番組タイトルも「どっきりカメラ」に改め、レギュラー番組として放送されることとなります。

放送時間と形式

番組は、主に土曜日の夜に放送されました。最初の放送時間は21:00から21:30で、続いて「いたずら大作戦」や「ビックリ決定版!!」などの形で放送されました。番組の基本形式は、高度なカメラワークを駆使して、ターゲットを騙す様子を撮影し、最後には「どっきりカメラ NTV」というプラカードを持った司会者が登場して、コントを締めくくるというものでした。

企画内容とドッキリのスタイル

全国各地でロケが行われ、仕掛け人が事前に仕込んだ様々なドッキリが展開されました。ターゲットは主に芸能人で、一般の人々も含まれることが多く、驚きの演出が見どころとなっていました。例えば、バスの中で昼寝しているスタッフにデコピンをしたり、道を歩いている人に突然パイをぶつけるという様なシーンが頻繁に見られました。

このようなドッキリ演出によって、ターゲットのリアルな反応が引き出され、多くの笑いを生み出しました。人気芸能人がターゲットとなることで、視聴者も楽しむことができました。

特異なエピソード

番組では、印象的なエピソードが数多く存在します。例えば、一般人を不意に蹴飛ばすというドッキリがあり、その結果として逆に蹴り返されるハプニングが生じたことがありました。この場面では、司会者の野呂圭介が本気で痛がってしまったことが特徴的です。また、子門真人が仕掛けられたドッキリにおいては、ハゲをあざ笑うような歌詞を歌わされて、仕掛け人が怒るというユニークな流れもありました。

また、番組内での「逆ドッキリ」として玉川良一が熊の着ぐるみを着る様子も注目を集めました。彼が誤って本物の熊と勘違いされ、命乞いをする羽目になるというハプニングがあったのです。

番組の終焉とその後

『元祖どっきりカメラ』は、1971年3月に急遽終了しました。終了理由には、視聴者からの「困った番組」としてのランキングが影響したことや、一般人を対象としたドッキリが軽犯罪法に触れる可能性が指摘されたことが挙げられます。その後、同じコンセプトをもとに、リニューアルされた「いたずら大作戦」が放送されましたがこちらもすぐに終了しました。

その後、1974年から1989年には『木曜スペシャル』の枠で単発番組として復活したものの、定期放送にはつながりませんでした。2022年現在もこのシリーズは放送されていませんが、現在の日本テレビの番組『うわっ!ダマされた大賞』にはそのコンセプトが引き継がれています。

パロディや関連番組

本番組は、後の様々なバラエティ番組に影響を与えました。『スターどっきり㊙報告』や『いたずらカメラだ!大成功』といった類似番組が登場し、さらに、アニメや小説にまでその影響が及んでいます。特に『ドラえもん』に登場する「ドッキリビデオ」などは、本番組を意識したパロディとして有名です。

このように、『元祖どっきりカメラ』は日本のバラエティ番組史において重要な位置を占めており、今なお多くの人々にその名が知られています。

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