先攻エクスタシー

椎名林檎の「実演ツアー 先攻エクスタシー」は、1999年4月に開催された彼女にとって初のライブツアーです。アルバム『無罪モラトリアム』のリリース後に行われ、当時、大きな注目を集めました。

このツアーでは、以前からライブで披露されていたものの、まだ音源化されていなかった「アイデンティティ」と「ギブス」が演奏されました。さらに、このツアーで初めて新曲として披露された「罪と罰」は、その後の椎名林檎の代表曲の一つとなりました。これらの楽曲は、ツアーの目玉として、ファンにとっては非常に記憶に残るものとなっています。

また、コンサートの模様は一部がスペースシャワーTVの特集番組などで放送されました。2013年11月には、初回生産限定で発売されたBlu-ray Discのボックス・セット『LiVE』に、このツアーから5曲が抜粋収録されました。しかし、全編を収録した正式なソフト化は、現在に至るまで実現していません。このため、ツアー全体を映像で楽しみたいというファンからの要望は、依然として高い状態です。

セットリストは、以下の通りです。

1. ここでキスして。
2. シドと白昼夢
3. 正しい街
4. 茜さす 帰路照らされど･･･
5. すべりだい
6. 罪と罰
7. 警告
8. アイデンティティ
9. クレイジー・フォー・ユー（マドンナのカバー）
10. モルヒネ
11. 歌舞伎町の女王
12. 積木遊び
13. 幸福論（悦楽編）
14. 丸ノ内サディスティック
15. ギブス

（アンコール）

16. 同じ夜

このセットリストからもわかるように、当時の椎名林檎の代表曲が網羅されており、初期の彼女のライブパフォーマンスを堪能できる内容となっています。特に、カバー曲であるマドンナの「クレイジー・フォー・ユー」は、彼女独自の解釈で演奏され、ファンから高い評価を受けています。

ツアーのバンドメンバーは「虐待グリコゲン」という名義で、以下のメンバーで構成されていました。

声と電気式ギター：椎名林檎
電気式ギター：西川進
電気式ベース：亀田誠治
シンセとキーボード：皆川真人
* 生ドラム：村石雅行

これらのメンバーによる演奏は、椎名林檎の楽曲の魅力を最大限に引き出し、ライブをさらに盛り上げる要素となりました。

「実演ツアー 先攻エクスタシー」は、椎名林檎の初期のライブパフォーマンスを代表する重要なツアーの一つであり、その音楽的な革新性やステージングは、後の彼女の活動にも大きな影響を与えたと言えるでしょう。このツアーの全容がソフト化されることを期待するファンは、今も少なくありません。

もう一度検索