先発ユリウス暦

先発ユリウス暦

先発ユリウス暦とは、西暦8年以前に遡ってユリウス暦を適用した暦のことです。ユリウス暦は紀元前45年に導入されましたが、当初の閏年は不規則でした。そのため、先発ユリウス暦は、紀元前45年以前ではなく、西暦8年以前に通常のユリウス暦（4年に1度の閏年）を適用したものを指します。

暦法の先発バージョン

暦法が発明・実施される以前の時代に遡って適用される暦は、「先発(proleptic)」バージョンと呼ばれます。例えば、グレゴリオ暦が実施される1582年以前に遡って適用される先発グレゴリオ暦があります。ただし、日本語では「遡及」「仮想上」などと訳されることもあります。先発グレゴリオ暦に基づく日付を引用する場合は、その旨を明示する必要があります。

先発ユリウス暦とは

ユリウス暦は、ユリウス・カエサルによって導入されたもので、西暦よりも古い暦です。西暦は、6世紀にディオニュシウス・エクシグウスがイエス・キリストの誕生を紀元として計算した紀年法で、8世紀頃から中世で広く使用されました。

先発ユリウス暦では、ユリウス暦は使用されていたものの西暦が使用されていなかった時代や、ユリウス暦導入以前の時代を含めて、全体的に西暦が使用されます。年は基数で表され、西暦1年は西暦の最初の年で、その直前の年は紀元前1年となります。「0年目」は存在しません。したがって、先発ユリウス暦の紀元前1年は閏年となります。

天文学的紀年法との関係

先発ユリウス暦は、1740年にフランスの天文学者ジャック・カッシーニが導入した天文学的紀年法とは異なります。天文学的紀年法では、各年を時間軸上の整数とみなし、0年は紀元前1年に対応し、「-1年」は紀元前2年に対応します。この方式では、ユリウス暦の閏年は4で割り切れる数字になります。

ユリウス暦の初期の閏年

先発ユリウス暦における閏年の設定は、ローマ時代に実際に行われた閏年の設定とは異なります。これは、歴史的な閏年の設定の誤りが原因です。紀元前45年から紀元後8年の間、閏日は体系的ではありませんでした。したがって、ローマのユリウス暦以前、または西暦8年以前のユリウス暦を使用して引用された日付に相当する、先発ユリウス暦の日付を正確に特定する方法はありません。

紀元前46年は特別な年で、ユリウス暦が導入されたため、1年に445日が割り当てられました。それ以前のローマ暦では、閏日ではなく閏月制度が使用されていました。

関連項目

* ユリウス通日

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