ジャック・カッシーニとは？意味をやさしく解説

ジャック・カッシーニ（Jacques Cassini, 1677年 2月18日 - 1756年 4月8日）は、フランスの天文学者であり、測地学者としても重要な業績を残しました。彼は、著名な天文学者ジョヴァンニ・カッシーニの息子として、パリ天文台で生まれました。

生涯と業績

ジャックは、父親が職務にあたっていたパリ天文台で幼少期を過ごし、その後、パリ大学に属していたコレージュ・マザランで学びました。17歳という若さで科学アカデミーの会員に選出され、1698年にはロンドン王立協会の会員にも選ばれるなど、早くからその才能を認められていました。

父ジョヴァンニと同じく、パリ天文台の正式な台長には就任しませんでしたが、天文台において指導的な役割を果たしました。彼は、太陽、月、惑星、そして木星と土星の衛星の正確な運行表を作成することに尽力し、恒星の固有運動に関する研究でも重要な成果を上げました。これらの観測結果は、当時の天文学の進歩に大きく貢献しました。

1713年、ジャック・カッシーニは、フランスを南北に縦断するダンケルクからペルピニャンまでの子午線弧長測量、および東西に横断する測量を実施しました。この測量結果は、1720年に発表された著書『地球の大きさと形状』にまとめられました。この中で彼は、自身の測量結果と、当時有力であったデカルトの渦動説に基づき、地球が南北に長い回転楕円体（長球）であると結論づけました。この主張は、ニュートンの万有引力の法則から導かれる地球が南北に扁平な回転楕円体（扁球）であるとする説を支持するブーゲーなどの科学者たちとの間で大きな論争を巻き起こしました。

地球の形状をめぐる論争に決着をつけるため、1735年、科学アカデミーはラップランド（トルネ谷）とペルーへ測量遠征隊を派遣しました。これらの遠征によって子午線弧長の精密な測量が行われ、その結果、ニュートンの理論が正しいことが証明され、地球が扁球であることが確定しました。この論争は、科学における理論と実証の重要性を示す事例として、後世に語り継がれています。

結論

ジャック・カッシーニは、天文学者として数々の観測成果を上げただけでなく、測地学者としても地球の形状を巡る重要な論争の中心にいました。彼の研究は、当時の科学界に大きな影響を与え、その後の天文学、測地学の発展に貢献しました。彼の生涯は、科学的探求の重要性と、理論と実証のバランスを考える上で、貴重な教訓を与えてくれます。

ジャック・カッシーニ

生涯と業績

結論

関連項目

参考文献