光画

光画（こうが）とは

光画は、1930年代の日本において、特に注目された写真雑誌の一つです。1933年、写真家の名取洋之助が中心となって設立された日本工房のメンバーによって刊行されました。この雑誌は、新興写真を代表する作品を数多く紹介し、写真に関する新しい動向を学ぶ場ともなりました。

沿革

光画は1932年に、野島康三、中山岩太、木村伊兵衛を同人として創刊されました。その後、1933年には、写真評論家である伊奈信男が参加し、全18号が発行されました。初期には聚楽社が発行元となり、その後光画社へと移行しました。

この雑誌は、発行当初から資金面で野島個人が大きく関与していたため、その活動は資金的な支えがあったことも特筆すべき点です。特に、写真に関する新しい動向を論じる場となっており、海外の事例を取り上げた論文も多く見られました。一例として、第1号に掲載の伊奈信男による「写真に帰れ」は、新興写真を語る代表的な論文です。

新興写真の代表的な作品の紹介

光画が紹介した作品は、新興写真と呼ばれる技法やスタイルを持つものが中心で、革新的な視点を持つ写真家たちの作品が数多く掲載されました。これにより、雑誌自体が新しい視点を提供する重要な存在であったといえるでしょう。この雑誌が短命であったにもかかわらず、日本の写真史に与えた影響は計り知れないものがあります。特に、作品に名前が掲載された作家には、野島康三や木村伊兵衛、青木春雄や紅谷吉之助など、名だたる写真家たちが名を連ねていました。

ただし、1930年代の時点で、桑原甲子雄といった著名な写真家ですら光画の存在をあまり認識していなかったという事実もあります。このことから、発行当時の影響範囲については限られたものであったという臆測も成り立ちます。実際、60名以上の写真家の作品が掲載されているものの、その中には変名や別名を使っている者も多く、重複の可能性があることも指摘されています。

参考文献

光画についてさらに詳しく知るための資料として、飯沢耕太郎の著書『写真に帰れ　『光画』の時代』や、復刻版『光画』刊行会が編集した『光画・復刻版（全3巻）』が挙げられます。これらの資料は、光画の時代背景やその影響を理解する上で有用です。また、2005年に発行された光画傑作集も、日本写真史の貴重な一部とされています。

関連項目

光画に関するさらなる情報は、日本カメラ博物館や日本写真史に関連した文献を通じて得ることができます。

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