児玉元村

児玉元村の生涯と功績

児玉元村（こだま もとむら）は、戦国時代から安土桃山時代にかけて活躍した武将で、毛利氏の家臣としてその名を知られていました。彼は安芸国児玉氏の一族であり、経行系児玉氏の嫡流に属していました。元村は、父の児玉就光を始め、弟の元房、元理、そして子の元光といった家族に恵まれました。彼は通称を四郎兵衛と呼ばれていました。

元村は毛利氏の家臣として、毛利元就、隆元、輝元の三代に仕えました。特に、隆元の急死に伴い、元村はその後の動乱に翻弄されることとなります。永禄6年（1563年）、隆元が急死すると、父の元就はその死を毒殺と疑い、復讐を誓いました。このため、元村は隆元の暗殺犯として疑われた和智誠春と柚谷元家兄弟を捕らえ、厳島の摂受坊に監禁することになります。

元村は伊予国の遠征中、佐武美久と共に厳島の守将として活躍していましたが、その後の大友氏との戦闘では御使として豊前国に赴くことになりました。ところが、12月16日、何と監禁されていた和智兄弟が摂受坊から脱走し、厳島神社の本殿に立て籠もる事件が発生しました。このため、厳島神社での儀式祭礼が行えなくなり、元就は大いに憂慮しました。

この状況を受けて、元就は近臣の熊谷就政を厳島に送り込み、元村も豊前国から帰国して応援しました。永禄12年（1569年）1月24日、熊谷は厳島神社の回廊に潜入し、和智誠春を討ち取ることに成功しました。さらに、元村もこれに協力し、兄弟が討たれたことを知った柚谷元家も出頭し、結果的に社頭で処罰されました。

次の年の同年10月11日、大友宗麟の支援を受けた大内輝弘が乱を起こしましたが、10月25日に自害という事態になりました。この頃、元村は右田ヶ岳城に在留し、輝弘の軍の残党を追撃し、戦功をあげることに成功します。

元村は、天正12年（1584年）3月21日に死去しました。その後、彼の嫡男である元光が家督を継ぐことになりました。元村の生涯は、戦国時代の武将としての厳しい運命と、数々の戦闘、事件に彩られたものとなっています。彼の功績は、毛利家の歴史においても重要な位置を占めていると言えるでしょう。

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