右田ヶ岳城

右田ヶ岳城（みぎたがたけじょう）

右田ヶ岳城は、山口県防府市右田に位置する山城です。標高の高い右田ヶ岳山頂に築かれており、その地形を活かした天然の要害として機能していました。

概要

右田ヶ岳の山頂は、東・中・西の三つの峰に分かれており、城郭はこの地形に合わせて構築されています。城の中心となる本丸は西峰に位置し、その東下に二の丸が配置されています。この立地から、右田ヶ岳城は大内氏の本拠地である山口を防衛する上で非常に重要な拠点でした。急峻な地形は、防御力を高める自然の障壁として機能し、外部からの侵入を困難にしていました。

沿革

右田ヶ岳城は鎌倉時代末期に、大内氏の庶流である右田氏によって築城され、以後、右田氏が代々この城を拠点としていました。戦国時代に入ると、城は戦略的な重要性を増し、周辺地域を巻き込んだ激しい争奪戦の舞台となります。

天文24年（1555年）、陶晴賢が厳島の戦いで討たれると、毛利氏が周防・長門国への侵攻を開始しました（防長経略）。当時の城主であった右田隆量は、野田長房と共に城に籠城し、毛利氏に対抗しました。しかし、毛利元就の度重なる勧告に応じ、最終的には降伏し、毛利氏に仕えることとなりました。

その後、毛利氏は家臣である南方就正を城番として右田ヶ岳城に入城させました。永禄12年（1569年）に大内輝弘が山口に侵攻した際には（大内輝弘の乱）、就正がこの城から出撃し、輝弘率いる軍勢を撃退する活躍を見せました。この戦いにおける右田ヶ岳城の役割は非常に大きく、毛利氏による周防・長門支配を確固たるものとする上で重要な意味を持っていました。

しかし、その後の右田ヶ岳城に関する歴史は、記録が少なく不明な点が多く残されています。江戸時代初期には廃城となったと考えられています。

右田ヶ岳城は、その歴史を通じて、地域の勢力争いにおける重要な役割を果たしました。現在では城郭の遺構が残るのみですが、その場所からは周辺地域の風景を一望でき、往時の面影を偲ぶことができます。

脚注

右田ヶ岳のご案内 - 右田ヶ岳山麓にある天徳寺のウェブサイト (https://web.archive.org/web/20130614004133/http://www.tendokuji.jp/midagatake.html)

関連項目

右田氏
防長経略
右田毛利家
日本の城一覧
大内氏館 - 高嶺城 - 右田ヶ岳城 - 富田若山城 - 須々万沼城 - 鞍掛山城 - 蓮華山城
* 天神山

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