大内輝弘

大内輝弘（おおうち てるひろ）

生涯

大内輝弘は、戦国時代の武将であり、大内氏第14代当主・大内政弘の次男・大内高弘の子として生まれました。幼名は隆弘、後に氷上太郎と名乗ったとされています。大内氏の第18代当主とされることもありますが、実際には実権を握っていたわけではありません。通称は太郎左衛門尉。子に大内武弘がいます。

大友氏の食客として

父・高弘が謀反を起こし大友氏のもとに亡命したため、輝弘は豊後国で生まれました。大友氏のもとで生活していましたが、貧しい暮らしを送り、幼少期を知る者は少なかったと伝えられています。

天文23年（1554年）から永禄8年（1565年）にかけて、大友義鎮（宗麟）の推挙と資金援助により、将軍・足利義輝から偏諱を受け、輝弘と名乗るようになりました。

大内輝弘の乱

永禄12年（1569年）、大友宗麟が毛利元就と北九州の覇権を争っていた際、大友軍は毛利軍の猛攻に苦戦を強いられていました。その状況を打開するため、宗麟の参謀であった吉岡長増の進言により、客将となっていた輝弘に兵が与えられ、大友水軍の支援を受けて周防国秋穂に上陸しました。

輝弘の兵力は少なかったものの、水上戦で市川経好の軍を破り、輝弘が周防国に入ると、毛利氏の支配に反発する大内氏の遺臣たちが呼応しました。当時、毛利軍は北九州に主力部隊を派遣していたため、周防国での対応は後手に回りました。しかし、高嶺城を守る経好の妻である市川局が、少ない城兵を率いて徹底抗戦したため、輝弘は完全に城を占領することはできませんでした。

輝弘の挙兵を知った毛利元就は、北九州での戦いを中断し、直ちに吉川元春と小早川隆景が率いる精鋭部隊を周防国へ派遣しました。その報を受けた輝弘は、山口での抵抗を諦め、海路での脱出を試みましたが、毛利軍の追撃は厳しく、同年10月25日に子の武弘らと共に富海（現在の防府市）の茶臼山で自害し、大内輝弘の乱は終結しました。

輝弘の山口侵攻は、毛利軍を本州に撤退させる要因となり、結果として、大友氏は筑前国など北九州における毛利方の諸城を奪還することに成功しました。

脚注

注釈

大内輝弘は、大内氏の当主としては数えられないこともあります。その理由は、彼が実権を握っていなかったためです。

出典

参考文献に記載

参考文献

近藤清石『大内氏實録』中元壮作、宮川臣吉、山口県山口町、1885年10月28日。 NCID BA33800345。 NDLJP:780384

関連項目

大内氏
* 豊後塚

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