児玉和土

児玉 和土（こだま かずと）は、1976年に日本の秋田県に生まれた映像作家、映画監督、そして脚本家として活動している人物です。

経歴と初期の活動

秋田県立秋田高等学校を経て、早稲田大学第一文学部を卒業。さらに一橋大学大学院言語社会研究科で学び、修士課程を修了しましたが、博士課程は中途退学しています。
大学在学中から映画制作の現場でスタッフとして働く傍ら、自らの手で自主映画の制作を開始しました。その才能は早くから注目を集め、ぴあフィルムフェスティバルをはじめとする国内外の様々な映画祭で入選・入賞を果たすなど、高い評価を得ました。

プロキャリアの確立

2006年には、自身が監督を務めた作品『ひかりのくに』が、大阪市映像文化振興事業であるシネアスト・オーガニゼーション・大阪エキシビション（CO2）にて、最高賞にあたるシネアスト大阪市長賞（グランプリ）を受賞しました。この作品は主演の吉岡睦雄氏がTAMA CINEMA FORUMで主演男優賞を獲得するなど、国内外で広く評価されました。この受賞は、児玉氏がプロの映像作家としてのキャリアを本格的にスタートさせる重要な転機となりました。翌2007年には、文化庁の委託事業である「若手映画作家育成プロジェクト」にも選ばれ、更なる創作活動の機会を得ています。

主な監督・脚本作品

児玉和土氏のフィルモグラフィーは多岐にわたり、劇場公開映画、オリジナルビデオ（OV）、Vシネマ、テレビドラマ、アニメなど、幅広いジャンルに及んでいます。

初期の自主映画としては、ぴあフィルムフェスティバルに入選した『ダム・ガール』（2005年）があります。プロデビュー後、先に触れた代表作『ひかりのくに』（2006年）の他、柄本佑や斎藤洋介らが出演した『さよなら、ジョージ・アダムスキー』（2008年）、アイドリング!!!の遠藤舞主演のホラー映画『口裂け女０ビギニング』（2008年）、近年では八村倫太郎や柳俊太郎が出演した『他人は地獄だ』（2024年）といった劇場映画を監督しています。

特にホラーやドキュメンタリーテイストのオリジナルビデオ・Vシネマ分野で数多くの作品を手掛けていることでも知られています。人気シリーズ『ほんとにあった! 呪いのビデオ』の第22巻から第41巻（2006年-2011年）や、『闇動画』シリーズ（2012年-）、『封印映像』シリーズ（2010年-2011年）など、長期にわたり制作が続くシリーズで監督を務め、その独自の視点と演出で多くのファンを獲得しています。
また、飛鳥凜、我妻三輪子、森川葵などが出演したVシネマシリーズ『ヒトコワ』、緑川静香らが出演した『ダスク 死を呼ぶ女』（2013年）、『リアル隠れんぼ』（2009年）といった作品も監督しています。

テレビドラマ分野では、『ヒトコワ』（2018年）の監督を務めたほか、『妖怪人間ベラ 〜Episode 0〜』（2020年）ではストーリー原案を担当しました。さらに、Netflixオリジナルアニメシリーズ『ソードガイ The Animation』（2018年）では脚本を手掛けるなど、その活動の幅を広げています。

研究活動

映像制作の傍ら、学術的な研究にも携わっており、一橋大学大学院在籍時には、一橋論叢に「漂泊する光--神代辰巳の遺作『インモラル 淫らな関係』について」（2005年）と題する論文を発表しています。

このように、児玉和土氏は学生時代から国内外で評価された自主制作からキャリアをスタートさせ、劇場映画、ホラービデオシリーズ、ドラマ、アニメなど、様々なメディアで監督や脚本を手掛ける、日本の映像界において多才な活躍を見せるクリエイターです。

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