児玉孝一

児玉孝一の棋士人生

児玉孝一（こだま こういち）、1951年2月21日生まれは、将棋界で特に「カニカニ銀」と呼ばれる攻撃的な戦法の創案者として知られる棋士です。出身は福岡県北九州市で、2011年に現役を引退しました。棋士番号は141、師匠は岡崎史明八段です。

将棋との出会いと初期の活動

児玉は12歳で将棋を覚え、高校1年生から本格的に指し始めました。彼は福岡県立八幡中央高等学校を卒業後、アマチュア棋士として活動し、北九州アマ王位戦でA級2位、1968年の第4回高校選手権では団体優勝を果たします。同年、アマ名人戦にも福岡県代表として出場し、ベスト4に進出しました。

その後、福岡大学を中退し、1971年に奨励会に入会。入会当初は1級昇級の後に2級に降級するなど苦しい時期もありましたが、1980年には四段に昇進し、プロ棋士としての道を歩み始めました。また、1978年には奨励会棋戦「若駒戦」で優勝を果たしています。

プロ入り後の活動と戦法「カニカニ銀」

プロ入りした児玉は、早速第14回早指し将棋選手権に出場し、注目の対局を繰り広げます。特に「カニカニ銀」という戦法を創案し、この独自のスタイルが評価され、2003年には将棋大賞の升田幸三賞を受賞しました。この戦法の名付け親は森信雄ですが、実際にそのスタイルを用いて成功を収めた棋士として高く評価されています。

順位戦と昇級の軌跡

児玉は順位戦でも活躍し、C級2組への初参加時は3勝7敗の成績で降級点を受けましたが、その後の下の期では一気に昇級争いに加わり、最終的にはC級1組へと昇進しました。1984年にはB級2組に昇級し、その後も多くの対局で好成績を収めましたが、1990年代には降級点を取り、順位戦B級2組に14期連続で在籍することになります。

引退までの道のり

近年、年齢とともに順位戦での成績が厳しくなり、2010年度には順位戦に復帰できなかったため、引退が決定しましたが、前年に引退した有吉道夫と同様、改めて規定が設けられたこともあり、2011年8月10日をもって完全に将棋界を去ることになります。この年には、竜王戦6組での対局が彼にとって最後の公式戦となり、最終的には大石直嗣に敗れました。

昇段履歴と著書

中で、児玉は1971年に3級から始まり、1980年には四段に昇級。1983年には五段、1985年には六段、1996年に七段に昇進しました。2011年には退職規定により引退し、その後、2016年に八段に昇段することになります。

また、児玉は著書として「必殺!カニカニ銀」を出版しており、この戦法を広めることにも貢献しました。彼は、数多くの対局によって将棋界に名を刻み、多くの将棋ファンに愛され続けた棋士です。

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