入広瀬村

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2004年11月1日、小出町、堀之内町、湯之谷村、広神村、守門村とともに魚沼市に合併された入広瀬村。本稿では、その歴史、地理、そして人々の生活を彩った様々な要素を紐解いていきます。

厳しい自然と人々の営み

入広瀬村は、国内有数の豪雪地帯として知られています。1936年には6メートルを超える積雪を記録したその地で、人々は厳しい自然と共存しながら暮らしてきました。村は、国道や鉄道沿いの穴沢、大栃山、平野又新田を中心とした集落、山麓部の横根、芋鞘新田、そして奥地の大白川新田の、計7つの集落から成り立っていました。守門岳や浅草岳といった雄大な山々、破間川、黒又川、末沢川といった清流、鏡ヶ池などの湖沼が、この地の豊かな自然環境を特徴づけています。東は福島県只見町、西は広神村・守門村、南は湯之谷村、北は下田村と隣接していました。

歴史の軌跡

1889年、町村制施行に伴い、穴沢村、平野又新田、芋鞘新田、大栃山村、田小屋村、大白川新田が合併して入広瀬村が誕生しました。その後、高根村を編入し、発展を遂げました。しかし、2004年の合併により、入広瀬村の歴史は幕を閉じました。長い歴史の中で、人々は独自の文化や生活様式を育み、その痕跡は現在も魚沼市に残されています。

村の活性化と観光開発

1970年代後半から1980年代にかけて、須佐昭三村長のリーダーシップのもと、入広瀬村では積極的な観光開発が行われました。山菜を村おこしの柱に据え、「さんさい共和国」を宣言。山菜会館、総合文化スポーツセンター、若者就業センターなどの施設が建設されました。また、サイクリングターミナル「サングリーンパーク」、淡水魚水族館「信濃川フィッシュハウス」、自然活用センター、雪国観光会館といった観光施設も整備され、多くの観光客を呼び込みました。

温泉開発にも成功し、ニュー浅草岳温泉の湧出を機に、浅草山荘、サン・グリーンパーク、浅草岳大自然館などに温泉が供給されました。さらに、入広瀬駅近くでも温泉が湧出し、「寿和温泉ドリームタウン」が建設されたことで、観光の活性化にさらに拍車がかかりました。1993年には、都市住民に土地代無料でセカンドハウスを提供する「ドリームホームタウン事業」も開始されました。

多彩な観光資源

入広瀬村には、数多くの観光資源がありました。日本ワイルドフード植物園、越後ハーブ香園、鏡が池、野山の幸資料館、入広瀬駅（雪国観光会館・民俗資料館）、鷹待城跡、田代平、関越国際大原スキー場、奥只見レクリェーション都市公園 浅草岳公園、只見映画劇場など、豊かな自然と歴史が調和した魅力的なスポットが点在していました。JR只見線の車窓からの風景もまた、この地の魅力の一つでした。

そして未来へ

入広瀬村は、合併により魚沼市の一部となりましたが、その歴史と文化、そして自然は、人々の記憶の中に、そして魚沼市の歴史の一部として大切に受け継がれています。かつて存在した村の風景、人々の営み、そして築き上げてきた遺産は、未来へと語り継がれるべき貴重な財産です。

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