入来町

鹿児島県入来町：温泉と歴史が薫る、 かつての町

入来町は、かつて鹿児島県薩摩郡に属していた町です。その歴史は古く、700年の歴史を持つ入来温泉や、重要伝統的建造物群保存地区に指定された武家屋敷群など、数々の史跡が残されています。 「温泉と歴史の町」として親しまれてきました。また、地形がパラグライダーに適していたため、休日には多くの愛好家が訪れ、空には色とりどりのグライダーが舞っていました。しかし、2004年10月12日、川内市、樋脇町、東郷町、祁答院町、里村、上甑村、下甑村、鹿島村との新設合併により、現在は薩摩川内市の一部となっています。

地理

入来町は、東西9km、南北13kmの細長い瓢箪のような形をしており、この特徴的な形状は町章にも図案化されていました。町を構成する大字は、浦之名と副田の二つで、これは江戸時代の藩政村の区域を継承したものです。現在の薩摩川内市入来町浦之名、入来町副田がこれにあたります。

町内には、愛宕山、八重山、入来峠などの山々が連なり、樋脇川、清色川、前川内川、後川内川、武田川、戸板野川などの河川が流れていました。

歴史

入来町の歴史は、1889年4月1日の町村制施行に始まり、入来郷に属していた浦之名村と副田村が合併して薩摩郡入来村が誕生しました。その後、1948年10月1日に町制を施行し、薩摩郡入来町となりました。2003年12月25日には、麓地区が日本で62番目の重要伝統的建造物群保存地区に選定され、その歴史的な景観が評価されました。そして、2004年10月12日、周辺の7町村と合併し、薩摩川内市となりました。

行政

合併前の入来町の最後の町長は福元忠一氏でした。

地域

教育

入来町には、以下の教育機関がありました。

高等学校：鹿児島県立入来商業高等学校（現：鹿児島県立川薩清修館高等学校）
中学校：入来町立入来中学校
小学校：入来町立入来小学校、入来町立副田小学校、入来町立朝陽小学校（平成30年閉校）、入来町立大馬越小学校（平成30年閉校）

交通

最寄りの空港は鹿児島空港です。

道路

国道：国道328号
県道：鹿児島県道42号川内加治木線、鹿児島県道333号川内祁答院線、鹿児島県道346号山田入来線、鹿児島県道395号山之口真黒線

鉄道（廃止路線）

かつては国鉄宮之城線（川内 - 薩摩大口）が町内を通っていましたが、1987年1月10日に廃止され、バス転換されました。廃止された宮之城線には入来駅がありました。

バス

JR[[九州バス]]：鹿児島駅 - 鹿児島中央駅 - 薩摩郡山 - 入来 - 宮之城
林田バス（現：鹿児島交通）
南国交通：鹿児島空港線

機関

国立天文台VERA入来局が、鹿児島大学入来牧場内に設置されています。

産業

主な企業として、富士通インテグレーテッドマイクロテクノロジがありました。

観光

入来町には、以下のような観光地がありました。

入来麓：重要伝統的建造物群保存地区に選定された武家町。石垣と生垣で区画された武家屋敷群が残っています。
清色城：国の史跡。
入来温泉：建徳2年（1371年）の文献に「副田湯」として登場する、700年の歴史を持つ温泉。大久保利通も訪れたとされています。
諏訪温泉
きんかんの里ふれあい館
大宮神社：君が代発祥の地の一つと言われています。
鹿児島大学農学部附属農場入来牧場

行事

入来町夏まつり納涼花火大会
入来薪能
入来神楽（大宮神社神舞）


入来町は、その豊かな歴史と自然、そして人々の温かさが魅力の町でした。合併によりその名前はなくなりましたが、その遺産は薩摩川内市に引き継がれ、今もなお多くの人々に愛されています。

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