入来院重堅

入来院重堅（いりきいん しげかた）

入来院重堅は、江戸時代中期に活躍した薩摩藩の武士であり、薩摩入来領の領主として知られています。入来院氏は、代々この地を治めてきた名門であり、重堅は20代目の当主にあたります。

生涯

延宝3年（1675年）、重堅は日置島津家の島津久竹の次男として誕生しました。この家系は、薩摩藩の中でも有力な一族であり、重堅もその血筋を受け継いでいます。

天和2年（1682年）、重堅は入来院重治の娘と結婚し、入来院家の婿養子となりました。これにより、重堅は入来院家の後継者としての立場を確立しました。

翌天和3年（1683年）には、養父である重治が亡くなったため、重堅が家督を相続し、正式に入来領の領主となりました。これにより、重堅は入来院氏の当主としての責任を担うことになりました。

貞享2年（1685年）、重堅は藩主である島津光久から加冠を受け、佐多久逵によって理髪を済ませ元服しました。この時、志摩之助重堅と名乗るようになり、武士としての正式な身分を認められました。

元禄2年（1689年）には、三番組頭に任命され、野田の地頭職も兼務するようになりました。これは、重堅が藩の行政や軍事において重要な役割を担うようになったことを示しています。

元禄4年（1691年）、重堅は島津光久の帰国許可の謝礼使として江戸に下向し、江戸城で将軍徳川綱吉に拝謁しました。これは、重堅が藩の代表として幕府との外交にも携わっていたことを示しています。

元禄6年（1693年）2月には、藩主・綱貴の参勤に番頭として随行しました。同年9月には、世子である吉貴の結納の使者として、桑名藩主・松平定重の屋敷に赴きました。これらの出来事からも、重堅が藩の重要な役職を歴任し、藩主の信頼も厚かったことが伺えます。

元禄11年（1698年）に、重堅は入来院家を離籍し、実家である日置島津家に戻りました。入来院家の家督は、都城島津久理の次男である規重が相続することになりました。重堅がなぜ入来院家を離れたのか、その理由は明らかではありませんが、家督を譲った後も、薩摩藩の歴史にその名を残しています。

元文2年（1737年）10月25日、重堅は63歳で亡くなりました。彼の生涯は、薩摩藩の歴史の中で重要な役割を果たしただけでなく、入来院氏という名門の当主としての責任も全うしたものでした。

参考文献

「入来村史」には、入来院重堅に関する詳しい記述が残されています。

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