島津光久

島津光久

島津光久（しまづ みつひさ）は、江戸時代前期に活躍した外様[[大名]]であり、薩摩藩の第2代藩主です。初代藩主・島津家久（忠恒）の次男として生まれ、島津氏19代当主となりました。彼の生涯は、藩主としての治績と、多くの子女に恵まれた特異な人物像によって彩られています。

生涯

1616年、島津光久は鹿児島で誕生しました。1624年には江戸幕府の命により江戸へ移住、人質としての生活を送ります。この措置は、大名の妻子を江戸に定住させる参勤交代の先駆けとなりました。1631年には、将軍・徳川家光から「光」の字を与えられ、松平姓を賜り、忠元から光久へと改名しました。

1637年、島原の乱が発生。父・家久の病により、光久は急遽参陣を命じられますが、実際には島原の乱に参加することはありませんでした。これは、父の死によって帰国を許可された直後だったためです。

藩主としての光久は、内政に力を注ぎました。特に財政の立て直しが急務であり、家老・島津久通に命じ、1640年には長野（現在の鹿児島県薩摩郡さつま町永野）に金山を開発。しかし、幕府の妨害により一時操業を停止。1656年に再開発が始まりました。幕府の鎖国政策により海外貿易に頼れなくなったため、金山開発の他、新田開発、洪水対策など産業振興を基本政策としました。また、藩主就任直後には、分家・新城島津家当主で妹婿の島津久章を自害に追い込んだり、父・家久が寵愛した家老・島津久慶を閑職に追放し、その死後には系図から名前を抹消しようとするなど、藩内では権力闘争も発生しました。飫肥藩との牛の峠境界論争は、1675年に幕府の裁決により飫肥藩の勝訴で決着しました。

光久は長命であり、1687年に隠居するまで50年間も薩摩藩を治めました。38人もの子女に恵まれたとされますが、その母親の多くは「家女房」としか記録されておらず、その素性は不明です。この点は、他の藩主と比較しても特異であると言えます。また、鹿児島県の名勝・仙巌園は光久の命によって築かれました。鹿児島の夏の風物詩である六月灯も、光久が始めた行事と伝えられています。さらに、練り羊羹に必要な寒天の発明にも関わったという説があります。

系譜

父：島津家久（1576-1638）
母：島津忠清の娘
養母：島津亀寿（1571-1630）
正室：曹源院殿
長男：島津綱久（1632-1673）
長女：於満（1634-1652）
継室：陽和院殿
側室：和泉忠参の姉
側室：新納忠頼の娘
四女：於虎（1655-1682）
五女：於亀（1657-1731）
九女：虎鶴（1663-1682）
側室：松沢八右衛門の娘
次女：於辰（1640-1690）
次男：北郷久定（1644-1662）
側室：黒田頼清の娘
三女：於西（1642-1693）
側室：救仁郷頼重の娘
四男：島津久岑（1650-1668）
側室：津留正将の娘
六男：島津久侶（1655-1697）
側室：玉利重親の娘
八男：島津忠智（1657-1727）
十四女：安千代（1669-1696）
側室：有馬純実の娘
八女：於長（1661-1739）
側室：塩田国実の娘
十四男：桂久祐（1665-1711）
側室：岩山直朝の妹
十女：於鶴（1666-1711）
側室：味方正信の娘
十五男：畠山基明（1666-1746）
津田氏の娘
十五女：袈裟千代（1670-1748）
家女房（姓名不詳）
三男：島津忠長（1645-1670）
五男：島津久達（1651-1719）
七男：鎌田正長（1656-1683）
九男：喜入久亮（1658-1722）
十男：島津久明（1659-1717）
六女：万鶴（1661-1734）
七女：千亀（1661-1722）
十一男：島津久当（1661-1729）
十二男：外記（1665-1682）
十三男：島津久記（1665-1733）
十一女：千代鶴（1666-1684）
十二女：千代松（1667-1687）
十三女：鶴千代（1668-1733）
十六男：入来院重矩（1672-1735）
十七男：島津久房（1673-1732）
十六女：松鶴（1673-1744）
十七女：亀松（1674-1694）
十八男：島津久雄（1680-1747）
十八女：亀千代（1680-1682）
十九女：徳鶴（1683-1725）
十九男：税所久皎（1687-1741）
養子：島津久雄継室

関連事項

市比野温泉
* 新・子連れ狼

もう一度検索