全力投球!!妹尾和夫です。サンデー

ABCラジオで長きにわたり愛された生ワイド番組シリーズに、『全力投球!!妹尾和夫です。サンデー』、そしてその前身である『とことん全力投球!!妹尾和夫です。』があります。関西を中心に活動する俳優・妹尾和夫がメインパーソナリティを務め、リスナーとの温かい交流を育んだこれらの番組は、2010年4月から2021年9月まで、11年半にわたって放送されました。

『とことん全力投球!!妹尾和夫です』

2010年4月6日、『とことん全力投球!!妹尾和夫です。』としてスタート。前身の平日帯番組『全力投球!!妹尾和夫です』の雰囲気を引き継ぎ、火曜日午後の生ワイド番組として編成されました。放送時間は開始当初12:00から15:00、後に14:54までに変更されています。パートナーは、劇団パロディフライ所属の女優、安井牧子が務めました。

番組の特徴として、前身番組からの要素が多く取り入れられていました。オープニングテーマ曲は古川忠義によるインストゥルメンタル『Morning Shine』を使用。オープニングでの妹尾と安井の口上や、番組スタッフが効果音で妹尾のトークにツッコミを入れる趣向も継承されました。スタッフはリスナーからの提案で「ムサクルーズ」と総称されるようになり、番組を盛り上げました。

リスナーとの連携も密接で、特に印象深い企画の一つに、山崎製パンとの共同開発による地域・期間限定商品「ふわふわメロンパンサンド」の販売があります。この商品は異例のヒットを記録し、番組の知名度向上にも貢献しました。

コーナー構成は時期によって変化しましたが、「ニュースとことん喜怒哀楽」では妹尾が気になるニュースに独自の視点でコメント。「新・全力リクエスト」ではリスナーからの楽曲リクエストと思い出を紹介。「常連通信」は、一度でもメッセージを読まれたリスナーを「常連」と呼び、近況報告などを紹介する人気コーナーでした。

『全力投球!!妹尾和夫です。サンデー』

2018年4月8日、放送枠を日曜日の10:00から12:00に移動し、『全力投球!!妹尾和夫です。サンデー』として再スタートしました。妹尾の新たなパートナーには、ABCテレビアナウンサーの小寺右子が加わりました。ニュース解説は、前身番組時代から関わりのあった浦川泰幸アナウンサーが担当。番組スタッフはリスナーから「チーム☆ムーミン谷」という親しみやすい総称で呼ばれるようになりました。

日曜の午前帯への移動に伴い、コーナー構成もリニューアルされました。「ボクは気になります！」では妹尾が世の中の出来事に物申すスタイルを展開。「仰天ニュース！」「うらうらたいむず。」では、小寺が紹介するニュースを浦川アナウンサーが詳しく解説しました。リスナーからのリクエストに応える「私だけのヒットソング」や、週替わりの特集コーナー「和夫のびっくり箱」、妹尾が感銘を受けた映像作品などについて語る「和夫は見た！」などが放送されました。「常連通信」は引き続き人気コーナーとして親しまれました。

シリーズ全体を通して、リスナーとの距離の近さが番組の最大の魅力でした。電話での悩み相談、メッセージ紹介、さらには海外旅行やバスツアーといった企画も実施され、単なるラジオ放送に留まらない、リスナー参加型のコミュニティのような側面を持っていました。

2021年9月26日の放送をもって、『全力投球!!妹尾和夫です。サンデー』は終了。これにより、11年半続いた「全力投球!!」シリーズ、そして妹尾和夫によるABCラジオ制作番組へのレギュラー出演は一区切りとなりました。長年の放送期間中、多くのリスナーに笑顔と元気を与え続けた番組シリーズとして、その存在は多くの人々の記憶に残っています。

番組終了後も、妹尾和夫と安井牧子はインターネットラジオで、妹尾和夫はKBS京都の番組で、妹尾・小寺・浦川はABCテレビの『せのぶら本舗』など、形を変えてメディアでの活動を続けており、リスナーとの交流も続いています。

特別番組としては、『桑原征平粋も甘いも』との合同公開生放送や、単独での公開イベントなども開催され、番組とリスナー、そして他の番組との繋がりを深める機会も多く持たれました。これらの活動は、番組シリーズが単に音声を届けるだけでなく、リスナーと共に作り上げ、楽しむ場所であったことを示しています。

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