全国不分区選挙区

全国不分区選挙区の概要と歴史

全国不分区選挙区は、中華民国（台湾）の立法委員選挙において、一つの特異な選挙区として機能しています。この制度は1992年の立法委員選挙から導入され、国全体を対象にした選挙区として候補者を選出する仕組みです。全国不分区選挙区は、後に僑居国外国民選挙区と統合され、名称も「全国不分区及び僑居国外国民選挙区」と変更されました。

選挙制度の仕組み

この選挙区においては、区域選挙区と原住民選挙区で投票された票を、特定の政党への票として集計します。各政党は、得票率が5%を超える場合に議席を得る権利があり、得票率に応じて議席が配分されます。この際、最大剰余方式と呼ばれる方法を使用し、各政党は、提名した候補者以外にも国籍を有する国内在住者を名簿に加えることが可能です。

立法委員選挙の歴史

全国不分区選挙区が導入された1992年、初めての立法委員選挙においては、中国国民党が圧倒的な強さを見せ、全体の50%以上の得票率を記録しました。この結果として、30議席のうち19議席が中国国民党に割り当てられ、民主進歩党は独自に11議席を確保しました。

1995年の選挙では、中国国民党が再び15議席を獲得し、民主進歩党は11議席を維持しましたが、そのほか新党から4議席も新たに得られました。このように、新党の出現が現政党に影響を及ぼすことも見受けられる時代でした。

1998年には定数が30議席から41議席に増加し、再び中国国民党が23議席、民主進歩党が15議席、新党が3議席という結果が出ました。このように選挙ごとの結果は、政党の力関係に変動をもたらしました。

2001年には、民主進歩党が15議席を得て初めて第一党となる快挙を達成し、中国国民党は13議席にとどまりました。また、親民党と台湾団結連盟がそれぞれ新たに9議席と4議席を獲得しました。

その後の2004年立法委員選挙では、民主進歩党が16議席を獲得し、引き続き強い影響力を保持しました。一方で、中国国民党は15議席、親民党が6議席、台湾団結連盟が4議席を確保しました。

これからの展望

全国不分区選挙区は、台湾国内での政党の力関係や社会選望のリトマス試験紙とも言える制度と言えるでしょう。また、この制度のもと、さまざまな政党が競い合うことで、台湾の民主主義が一層豊かになっていくと期待されます。今後の選挙においては、各政党がどのように戦略を練り、支持を広げるかが重要なポイントになっていくでしょう。選挙結果は、国民の意識や価値観が反映される重要な機会であり、今後も注目が集まります。

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