全国学生自治体連絡協議会

全国学生自治体連絡協議会（全国学協）について

全国学生自治体連絡協議会、略して全国学協は、1969年5月4日に結成された民族派学生組織です。この団体は、長崎大学を中心に広がった「学園正常化」の動きから誕生し、各大学における自主性の確保を目指しました。学協の機関紙『全国学生新聞』や理論誌『アバンギャルド』を通じて、その活動を広報し、学生政治に影響を与えました。

結成の背景

全国学協は、1966年に発生した長崎大学の学生会館占拠に対する反発から始まりました。この動きは学生の「学園正常化」運動を引き起こし、以後、長崎大学を皮切りに九州各地の大学へと広がりました。1967年7月には長崎大学学生協議会が設立され、その後、九州の他の大学でも同様の協議会が次々と結成されていきました。最終的には、1969年に東京で開催された全国大会で、全国学協が設立される運びとなりました。

組織の成り立ちと活動

全国学協は、特に生長の家の学生組織や、統一教会系の原理研究会の活動家が中心となっていましたが、組織内部の構成メンバーには多様性がありました。結成後は、特に全共闘が長崎大学のバリケード封鎖を行った際に、その排除に動き出しました。これにより、学協は自身の立場を強化し、学生運動の中で存在感を示すこととなりました。

文化運動への進出と全国的運動の拡大

全国学協の設立と共に、文化と伝統を守るための全日本学生文化会議や全国高校生協議会総連合などが結成され、学生運動はより幅広い視野を持つようになりました。これにより、全国の学生たちが結集し、運動の中で相互の連携を深めていくこととなります。特に1970年に行われた全国大会では、約8000名の学生が集まり、この運動がいかに力強いものであったかを物語っています。

路線の対立と分裂

学協の活動は常に他の学生団体との衝突を伴い、やがて「反YP論」などの政治路線が提起されました。しかし、運動の焦点が変化し、1973年には路線対立の結果として分裂を招きました。組織の内部では、自立草莽派と反憲派に分かれ、各々が新たな目的意識のもとで活動を開始します。特に反憲派は、占領憲法の廃止を唱え、全国各地で激しい対立が続きました。

三島事件とその影響

さらに、1970年の三島事件は学協にとって転機となりました。三島由紀夫の行動は、学協及び青協に新たな目的を与え、占領憲法を裁くという目標のもとに動き出しましたが、裁判は失敗に終わり、組織全体に大きな挫折感をもたらしました。このように、学協は時代の移り変わりの中で様々な試練に直面しつつ、その理念や目的を模索し続けました。

結び

全国学生自治体連絡協議会は、学生運動の一環として多くの歴史的な出来事に関与してきました。民族派としての特徴を持ちながらも、他の学生組織との対立や連携の中でその活動を進めていきました。今日、学協の活動は記憶され、様々な形での思想的な影響を与え続けています。

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