全国宣伝指導部

全国宣伝指導部について

全国宣伝指導部（Reichspropagandaleitung、RPL）は、国家社会主義ドイツ労働者党（通称：ナチ党）の宣伝を担当する組織です。1926年に設立され、1945年のドイツの敗戦まで活動を続けました。この部門は、ナチ党の権力掌握後、国民啓蒙・宣伝省と共に国家のプロパガンダの中心的な役割を果たしました。特に、ヨーゼフ・ゲッベルスは1960年から部門のリーダーを務め、1933年には国民啓蒙・宣伝大臣として党と政府の宣伝方針を主導しました。

対する背景

全国宣伝指導部は、ナチ党の設立以来続く宣伝活動の延長線上にあります。パーティが創設された1920年から1945年の終戦時まで、党内の宣伝活動は次第に組織化されていきました。1923年のミュンヘン一揆失敗以降、一時的に党が禁止され、その結果宣伝事務所も閉鎖されましたが、1926年6月には党が再結成され、宣伝部門が復活しました。

最初の全国宣伝指導者にはグレゴール・シュトラッサーが就任しましたが、後にシュトラッサーが離党するとアドルフ・ヒトラーが一時的にその役割を引き受け、最終的にはゲッベルスが1930年に全国宣伝指導者としての地位を確立しました。ゲッベルスはこのポジションを1945年の敗戦まで維持しました。

組織の構成

全国宣伝指導部は、ヘルマン・エッサーの時代からの伝統を持っており、部門は大管区宣伝指導部、管区宣伝指導部、地区宣伝指導部など複数の階層に分かれて構成されていました。これにより、全国的に広範な宣伝活動が展開され、その中には文化やメディアの表現も含まれていました。

また、各部署には局長が配置され、特に映画、ラジオ、文化といった各セクションは、ナチスのイデオロギーを国民に伝えるための重要な役割を果たしました。映画部においては、様々なプロパガンダ映画が制作され、観客にナチスの理念を強く浸透させることを目的としていました。

映画とメディア

ナチス政権下の映画部は1937年からカール・ノイマン、1941年以降はアルノルト・ラエターの指導下で運営され、プロパガンダ映画の制作に努めました。映画は党のイデオロギーを視覚的に表現する手段として特に重視され、数多くの作品が製作されました。その中には、「最深部から高みへ」や「昨日と今日」、「決断の年」など、当時の社会問題や政治的メッセージを反映した作品が含まれています。

映画事務所は、組織内に広がりを持ち、サウンドフィルムバンを使用して映画館が存在しない地域でも作品を上映できる体制を整えました。さらには、移動式上映のための専用列車も用意され、ナチスのプロパガンダがほぼ全国に届くようにしました。

最後に

1945年、連合国により全国宣伝指導部は禁止され、その資産は没収されました。この組織の活動は、ナチス・ドイツにおける情報操作や思想統制を象徴するものであり、現代においてもその影響を考える上で重要な要素となっています。ナチスのプロパガンダが如何にして国民意識に作用したのか、今後も研究が進められることでしょう。

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