全国高等専門学校ラグビーフットボール大会

全国高等専門学校ラグビーフットボール大会：熱き戦いの歴史と伝統

全国高等専門学校ラグビーフットボール大会は、高等専門学校（高専）のラグビー部による全国規模の大会です。毎年1月初旬に開催され、全国高等専門学校連合会と日本ラグビーフットボール協会が共同で主催しています。主な会場は兵庫県神戸市にある神戸総合運動公園ユニバー記念競技場です。

2022年度時点で全国には57校の高専がありますが、ラグビー部を持つ高専は33校にのぼります（2023年3月時点）。この大会では、各地域を勝ち抜いた強豪10チームが、全国制覇を目指して激突します。第54回大会（2024年1月開催）の参加校は、北海道1校、東北2校、関東信越・東海北陸1校、近畿1校、中国・四国2校、九州沖縄2校、そして開催地の兵庫県から1校という内訳でした。

大会の歴史は古く、1971年に第1回大会が開催され、8チームがしのぎを削りました。初代王者に輝いたのは北九州工業高等専門学校です。準優勝の私立大阪工業高等専門学校は、後に摂南大学へと発展し、現在の摂南大学ラグビー部の礎となりました。

大会の歴史において、幾多の名勝負が繰り広げられてきました。特に、神戸市立工業高等専門学校は10回もの優勝を記録しており、その強さを示しています。また、仙台高等専門学校名取キャンパスと奈良工業高等専門学校は、4連覇という偉業を達成しています。これらの3校は近年も決勝戦進出を果たすなど、常に上位を争う強豪校として君臨しています。

大会の歴史には、忘れられない出来事も刻まれています。第19回大会（1989年1月4日開幕）では、準決勝終了後の1月7日朝に昭和天皇が崩御されました。このため、翌日予定されていた決勝戦は中止となり、出場した両校が優勝という異例の幕切れとなりました。

近年では、第51回大会（2021年1月開催）が新型コロナウイルス感染症の流行の影響を受けました。佐世保工業高等専門学校が出場辞退を余儀なくされるなど、大会運営に大きな影響が出ました。さらに、1月6日には神戸市に暴風雪警報が発令され、準決勝が2日、決勝が1日順延される事態となりました。この大会では、決勝戦が関西ラグビーフットボール協会公式YouTubeチャンネルで初めてライブ配信されました。これは、大会の新たな試みとして注目を集めました。

このように、全国高等専門学校ラグビーフットボール大会は、長年に渡り、高専ラグビー界を牽引し、多くのドラマと記憶を刻んできた大会です。これからも、高専ラグビーの頂点を決める熱い戦いが、多くの観客を魅了し続けることでしょう。

参考文献

日比野弘の日本ラグビー全史 322-324ページ

関連項目

日本のラグビーユニオン
日本ラグビーフットボール協会
高等専門学校
全国高等専門学校体育大会
全国高等専門学校連合会
神戸総合運動公園ユニバー記念競技場
全国高等学校ラグビーフットボール大会（同時期に行われている高等学校の大会）

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