全府中野球倶楽部

全府中野球倶楽部（オールふちゅうやきゅうクラブ）は、東京都府中市を拠点に活動する、日本野球連盟に所属する社会人野球のクラブチームです。

チームの歴史と概要

1930年に産声を上げた全府中野球倶楽部は、日本の社会人野球におけるクラブチームの中でも5番目に長い歴史を有しています。チーム運営の根幹には「地域密着」の理念があり、この目標の実現に向けて、後援会を通じて集まる数十に及ぶ地域の法人会員からの協力や支援を得ながら活動を続けています。

主要大会での実績

チームは創部以来、数々の主要な野球大会に出場し、輝かしい成績を残してきました。中でもクラブチーム日本一を決定する全日本クラブ野球選手権大会には、これまでに14回出場しています。最高成績は1984年に記録した優勝で、この他に1983年と1998年には準優勝という実績も持っています。

その他にも、以下のような主要な大会で優勝経験があります。

JABA一関市長旗争奪クラブ野球大会: 2回の優勝（2010年、2014年）
JABAびわこ杯争奪社会人クラブ野球大会: 2回の優勝（1989年、1991年）

女子硬式野球部の創設

2024年には、硬式野球の女子チームである「全府中女子硬式野球倶楽部（オールふちゅうじょしこうしきやきゅうクラブ）」を新たに立ち上げました。この女子チームは「MAREs（メアーズ）」という愛称で活動しています。

女子部も男子部と同様に地域に根差したチーム作りを目指しており、選手の野球との両立を支援するため、就職を希望する選手には地元の雇用先の紹介を行っています。また、女子硬式野球部が設置されていない高校に通う生徒たちの受け入れも積極的に実施しています。創設初年度は、選手層の確保という観点から、茨城ゴールデンゴールズ女子チームと合同でチームを組み、活動を進めました。

全府中女子硬式野球倶楽部は、全日本女子野球連盟、全日本女子硬式野球クラブ連盟、関東女子硬式野球連盟に加盟しています。初代監督には林裕幸氏が就任しました。

女子部の主な出場大会としては、

ヴィーナスリーグ
全日本女子硬式クラブ野球選手権大会

などが挙げられます。

元プロ野球選手の所属

全府中野球倶楽部には、かつてプロ野球界で活躍した選手たちがチームに所属し、その豊富な経験をチームに還元しています。競技者として登録されている元プロ野球選手は以下の通りです。

山下 浩宜（元読売ジャイアンツ） - コーチ兼内野手
田中 健太郎（元読売ジャイアンツ） - 投手
永野 将司（元千葉ロッテマリーンズ） - 投手
樋口 龍之介（元北海道日本ハムファイターズ） - コーチ兼内野手

また、コーチとしてチームの指導にあたっている元プロ野球選手には、香坂 英典氏（元読売ジャイアンツ）がいます。

全府中野球倶楽部は、長い歴史と地域に根差した活動を基盤に、男子部の実績に加え、女子部の設立など新たな展開も図りながら、社会人野球、そして地域における野球の振興に貢献し続けています。

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