全日本ドレミファミリー歌合戦

『全日本ドレミファミリー歌合戦』 は、1985年4月7日から同年9月29日まで、毎日放送が制作しTBS系列各局で放送された視聴者参加型の歌合戦番組です。

概要

毎週日曜日の午後1時ちょうどから1時40分にかけて放送されました。番組の司会は井上順さんが務めました。

最大の特徴は、番組が毎回、日本全国の様々なホール会場からの公開形式で行われたことです。そのため、「全日本」というタイトルが冠されていました。この公開放送を直接会場で観覧するためには、事前に系列局宛てにハガキを送る必要がありました。これは、後の番組にも引き継がれるシステムでした。また、出場を希望する家族も同様に系列局宛てに応募する形式で、関東地区からの応募はTBSではなく毎日放送の東京支社が受け付けていました。

この番組は、かつて日曜日の午後2時台に放送されていたクイズ番組『日本列島縦断クイズ』から、放送時間帯を引き継ぎ、1時間早い午後の1時台へ移動してスタートしました。

番組の制作体制にも特徴がありました。過去の『家族そろって歌合戦』のような視聴者参加型番組では、幹事局がTBSでありながら、その回の担当局のみが制作クレジットに表示される形式が見られました。しかし、『全日本ドレミファミリー歌合戦』では、毎日放送が幹事局と番組配信を兼ね、さらにTBSを含む各系列局が毎日放送との共同制作という形で番組作りに関わっていました。外部制作会社としては、IVSテレビ制作も番組制作に携わっていました。

ルールと賞品

番組は放送期間中にルールが変更されています。

前期：毎週3組の家族が出場しました。番組は3つのパートに分かれており、4名の審査員が採点を行いました。審査員の持ち点は、第1コーナーが5点、第2コーナーと第3コーナーがそれぞれ10点で、合計100点満点でした。最終的に合計点の一番高いチームが優勝となり、賞品としてグアム島への家族旅行を獲得しました。さらに、合計点が満点の100点に達した場合には「パーフェクト賞」として、グアム島以外の海外旅行（具体的な行き先は明示されていません）と賞金10万円が贈られました。優勝チームへの賞金は、1点につき1,000円として計算されました。

後期：出場チームが4組に増え、ルールもトーナメント形式に変更されました。この期間の賞金は、優勝チームに10万円、その他の参加チームには5万円がそれぞれ贈られました。

優勝チームが決定した際や、パーフェクト賞が出た際には、お祝いとして天井から華やかな紙吹雪が舞い散る演出がありました。また、番組のスポンサーからは、出場者全員に参加賞が提供されました。

審査員

番組の審査委員長は作曲家の小林亜星さんが担当しました。他にも数名の審査員が出演していました。

前期ルールで審査員が得点を入力する際、「あっ手がすべっちゃった!!」と言いながら点数のスイッチを押すという、半ばお約束のような演出がありました。これに対して、会場の観客からは毎回大きな笑いが起こり、番組を盛り上げる一因となっていました。

ネット局

この番組は基本的にTBS系列各局で同時ネットされていました。制作局である毎日放送と、キー局である東京放送（現在のTBSテレビ）をはじめ、北海道放送、青森テレビ、岩手放送（現在のIBC岩手放送）、東北放送、テレビユー福島、新潟放送、信越放送、テレビ山梨、北陸放送、静岡放送、中部日本放送（現在のCBCテレビ）、山陰放送、山陽放送（現在のRSK山陽放送）、中国放送、テレビ高知、RKB毎日放送、長崎放送、熊本放送、大分放送、宮崎放送、南日本放送、琉球放送といった多くの系列局で視聴できました。

一部例外として、放送当時はフジテレビ系列とのクロスネット局であったテレビ山口や、完全にフジテレビ系列局であった富山テレビ放送でも放送されていました。富山テレビでは、本来の同時ネット時間とは異なる日曜日の昼12時台に放送されるなど、放送時間にも違いが見られました。

『全日本ドレミファミリー歌合戦』は、同時期に放送されていた『オールスター家族対抗歌合戦』などと同様に、家族を対象とした視聴者参加型歌謡番組の流れを汲む存在でした。半年間という短い放送期間でしたが、全国各地からの公開放送と家族の歌声が多くの視聴者に親しまれました。

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