全日本仏教会

公益財団法人全日本仏教会

公益財団法人全日本仏教会（ぜんにほんぶっきょうかい）は、日本の伝統仏教を代表する重要な団体です。2012年4月時点で59宗派が加盟しており、この団体はさまざまな宗派が集まる総合的な組織として機能しています。略称として「全仏」（ぜんぶつ）が用いられていますが、「ぜんふつ」と間違えて読まれることもあります。団体のシンボルとして仏旗と法輪が掲げられています。

全日本仏教会には、2018年の時点で59の宗派、36の都道府県仏教会、さらには10の付属団体が加盟しており、寺院や教会などの加盟団体は合計で7万以上に上ります。この団体は、日本の伝統的な仏教界を代表する唯一の総連合体として位置づけられています。

国際的な活動も盛んで、全日本仏教会は世界仏教徒連盟に加盟しています。また、神道やキリスト教、新しい宗教とともに日本宗教連盟を構成しており、宗教界での交流や協力も図っています。なお、全日本仏教会には加盟しない宗派や寺院も存在しますが、これには特に日蓮正宗が含まれます。一方で、念法眞教や孝道教団、本門佛立宗といった新たな仏教系宗教が加盟しています。これに加えて、全日本仏教会を脱退した団体もあり、その状況は非常に多様です。

歴史を辿ると、全日本仏教会は1900年（明治33年）に設立された「仏教懇話会」が起源となり、そこから「大日本仏教会」や「日本仏教連合会」を経て、1957年に再組織化され現在の名称に改称されました。そして2012年には公益財団法人として認可されました。

全日本仏教会の組織は、事務総局を中心に複数の部門が情報管理や広報活動を担当しており、その構造は非常に複雑です。例えば、総務部、財務部や広報文化部、さらには国際交流を担当する国際部などが設けられています。各派の管長が2年ごとに会長職を交代し、2022年4月現在では真宗大谷派の大谷暢裕が会長を務めています。

しかし、全日本仏教会は過去にいくつかの問題にも直面しています。有名なものの一つが1979年の「町田発言」で、当時の理事長が行った差別に関する発言が宗教界で大きな批判を呼び起こしました。これがきっかけとなり、1981年に同和問題に取り組む宗教団体の連帯会議が設立されるなど、大きな動きに発展しました。

また、近年ではイオンとのトラブルや、Amazon Japanにおける僧侶派遣サービス「お坊さん便」に対する懸念など、商業活動に関する問題も発生しています。これにより、全日本仏教会は時折、営利活動との関係について苦言を呈してきました。

全日本仏教会は、日本の伝統仏教を広めるために尽力してきた代表的な団体であり、その影響力は国内外に及ぶものです。今後も多様な宗教活動や国際交流を通じて、日本の仏教界の発展に寄与していくことが期待されています。

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